先日お会いした方に未熟ながらも簡単なレクチャーをさせていただいたので、その内容をチョロッと記事に。
商品撮影、いわゆるブツ撮りは色々と機材があった方が良いものです。ウン十万のプロ機材がとかではなくて、最低限の機能が実現できる機材がまずは基本ラインかなと。
もちろん代用は色々なものやコツでできるのでしょうが、安くても専用の機材の方が良い場合は多々あります。さすがに新品定価1000円とかだとちょっとどうかとは思いますが、機能を満たすならそれ良しで。
この記事では、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ。高い物は高いですが今回はそれほど高くないものを想定)一つでブツ撮りに挑もうとしている方向けです。もう少し準備をしてみませんか?
前置き
間違われると困るので、前置きです。
私はプロカメラマンではありません。撮影に関しては独学ですから部分的な情報しか持ち合わせていません。また、特定のジャンルの撮影が多いため撮影した事がない種類の被写体も数多くあります。
つまり、記事の内容はプロからの助言などというレベルではありませんので悪しからず。
使用するカメラはワゴンセールで売っている様なカメラを想定しています。
カメラと商品の距離
ブツ撮りの基本は正確な形。イメージショットなら別ですが全体の形は必須かと。形を正確に撮る時の基本は以下の通り。
離れて望遠で撮影
近くで接写すると形が歪むので、望遠で遠くから撮影するべきと言う事です。
小さな被写体の場合はファインダーギリギリに被写体が大きく入るように、時にはマクロで撮影したくなるかもしれません。しかしそれでは魚眼レンズの如く形が歪みます。望遠でも100mm程度であればやはり歪むのですが、接写の比ではないので綺麗に撮れます。
また、レンズの構造的に中心から離れれば離れる程形はゆがみ明るさも落ちやすくなります。基本的にはファインダー中央で余裕を持って捉えると考えて方が失敗しにくいでしょう。
どうせなら一眼入門機がお勧め
コンデジのズームはあまり綺麗ではない印象があります。もともと商品を撮影する事に向いている作りではありませんし。例えばおば、絞り設定が自由にできるコンデジはあまりないでしょうし、ホワイトバランスの細かい設定も無いでしょう。あっても結構なお値段です。
そこでお勧めなのが一眼デジタルカメラの入門機。Nikonで言えばD3000クラスです。現在はD3200が新製品なのでD3100であれば安く手に入ります。価格が一番安いと言ってもやはり一眼デジタルカメラ。コンデジとの差を感じていただけるでしょう。
amazonではD3100は既に扱っていないようでした。街のカメラ屋さんなら在庫があるかもしれませんが、定かでなく。
望遠レンズを含んだダブルズームを買うと高くなりますので、ボディのみを買って中古でダブルズームの望遠レンズを探すと良いかもしれません。レンズキットのレンズは安く取引されている印象ですしわりと在庫も多いはずなので。
ちなみに名前は「AF-S DX VR Zoom-Nikkor 55-200mm f/4-5.6G IF-ED」という名前です。200mmもあれば十分でしょう。探してみましたら価格は2万円を軽々切ってました。今さらながら安いですね…。
絞り
少し絞りについても触れましたが、撮影時に絞る事で写真がシャープになります。回折現象が起きるので絞りすぎはダメですが、丁度良い辺りをみつけると格段にできが良くなります。
因に絞りとは、カメラのレンズから光を入れる際の扉のよううなものです。絞れば狭くなり開けば明るくなります。この辺りはシャッタースピードや露出やISO感度などと相互に関連しますので少々ややこしいのですが、この場では
絞ればシャープ開けばボケる
という理解で良いかなと。
三脚
ブツ撮りは主に室内ですから基本的に光の少ない環境です。光が少なければシャッタースピードを遅くせざるを得ず、手ブレの原因になります。手ブレは商品撮影(だけでもないですが)では補い用のないミスになってしまいます。
そこで大事なのが三脚。三脚に固定すれば手ブレの問題はほぼ解決します。
何故ほぼなのか?それはシャッターを指で押せばその動きでカメラがぶれてしまうからです。せっかく動かない台に据えてもこれでは意味がありません。
もっとも簡単な対策はセルフタイマー。記念写真よろしくセルフタイマーで撮影すればブレようがありません。机の上にカメラを置いて撮影という手もありますが、レンズを向ける角度に制限が出ます。ブツ撮りなら三脚は必須です。
三脚の重さ
三脚の重さですが、初心者であれば軽くても重くてもあまり変わりません。
重い方が安定しますので野外に向きますが、動かさない室内撮影だからこそ重くて安定した三脚が使えるとも言えます。軽い方が安定しないので室内向きですが、持ち運びを考えると野外向きです。
このように、自分の環境や使い方を考えないと選ぶ基準があやふやになってどれでも良くなってしまいます。
とりあえずは重くて安い中古を買っておけば良いかなと思います。室内でのブツ撮りのみと限定すればですが。
ピント合わせは拡大で
ピントの確認は、液晶画面で拡大をして行う方が無難です。
ドットが荒いと分かり難いですが、拡大しないよりはましでしょう。高級コンデジなら表面のキメなども確認できる場合もありますが、そこまでできるカメラでなければ輪郭のぼやけを確認したりできればよいかと。
照明
安く安くというのであれば、外光を利用してレフ板で影を起すのが良いと思います。
具体的には、直射日光が当たらない窓際にテーブルを置いてその上に商品を置きます。この形だと1方向からのみ光が当たりますから、光の当たらない方は暗くなります。日光の光量に寄りますが暗くなりすぎるなら白い紙(これをレフ板=反射板として使いますなどを影になっている側において、日光を反射させ影を起します。
経費をかけたくないなら時間と場所をがんばって確保する必要がありますね。
陰影をコントロールする
撮影対象によるのですが、影を消しすぎないほうが魅力的な写真になります。彫りの深い外国の方が妙に印象深く見えるのと同じイメージでしょうか?のっぺりよりもよい場合が多いと思います。
反面、パッケージを撮影したりする場合には全体が明るい方が良いので影を積極的に起します。もっともこのような撮影をするならちゃんとした機材と技術を手にするか、プロに頼んだ方が良いでしょう。
補正はパソコンで
カメラにはメーカーや機種によって写りに癖があります。たとえば、Aのカメラは全ての設定をAUTOで撮影すると青みが強く、Bのカメラは赤みが強くなります。Cのカメラは見た目以上に色が鮮やかに映り、Dのカメラは色がそれほど鮮やかにはなりません。
これらはカメラ上である程度補正できますが、小さな液晶で補正するぐらいならPCで補正した方がよいです。全ての癖を把握していれば事前にそのプリセットを作って対応しても良いと思います。が、ここまでこれるならコンデジから離れた方が良い様な気もしてしまいますね。
結び
以上、簡単な説明でした。多分に我流も含まれていますので参考程度ご覧くださいませ。
文中にも触れていますが、ブツ撮りで高級コンデジを買うぐらいなら一眼デジタルカメラの入門機を買うことをお勧めします。
ミラーレスは残念ながら全く使ったことがないので何も浮かばないのですが、ファインダーが無い時点でコンデジと同じ使用感かなと思います。ただ各社よいレンズを揃えているようなので、レンズの質が高いとコンデジより撮りやすいかもしれません。
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