「自分で作るかわりに依頼する」の場合にご説明したい事柄。

何度かこういうお話になることもありましたので、考えをまとめます。

細かいことを書くと収集がつかなくなりますし、不平不満を伝えたい訳でもありませんので結構なざっくり感です。毎度ながらですが私見であることをお忘れなく。

前書き

自分で作る費用と依頼する費用は同じ?
自分で作る費用と依頼する費用は同じ?

最近では、といいますかもっと以前から便利なサイト作成ソフトやサービスは存在します。かの有名な「ホームページビルダー」を筆頭に、「ネットショップオーナー」などECサイト構築用ソフトまであり、探せば自力制作するための道具などいくらでも見つかるでしょう。

こうなってくると、ご自分でサイトを作って公開したいという方が増えてきます。いいことですね。それぞれに独自の情報が公開されれば、WEB上の情報はより豊かになりますから。「ゴミが増えるから嫌!」という方には辞書や事典をおすすめします。ゴミのない正確な情報だけが見られますよ。

さて、では実際に行動に移す方がいるかと言えばそうそう多くはないはずです。作るために時間が必要で、ソフトの操作を覚える必要もありますから。買ったはいいけれど断念した方を含めるとそれなりにいるのではないでしょうか?個人の趣味であれば放置で構いませんが、事業に利用するサイトとなると途中で放置はできません。

ではどうするか?自分で作れる範囲だと考えている数ページのWEBサイトの制作を、制作会社に頼むわけです。

「自分で作るかわりに依頼する」ということ

もともとご自分で作ろうとされていましたから、頭の中にはソフトの購入代金位しかなく費用は2,3万円以下なんて感覚がザラかと思います。

では、その額で制作会社が制作を請け負うかと言えば、非常に微妙な話です。お金の取り方はいろいろですから、制作費を無料にして月額契約でぼったく..、もとい、費用を請求し続けるというあたりが受注する際の現実的なラインかもしれません。

この場合、ご依頼者の方にご説明するのが以下のような内容です。

サイト制作にかかる作業コスト

仮に、ご依頼者自身がサイトを作ることにしましょう。使うソフトは2万円だったとします。

そのソフトで、例えば仕事の業務の一つとして作り始めて一ヶ月かかって完成させたとしましょう。この場合かかった費用は2万円で計算してよいのでしょうか?

2万円だと仰る方は少し視点を変えてみて下さい。まず、あなたが通常のお仕事をしてもらうお給料があり、サイト制作にかけた時間は時給換算でコストが算出で来ます。続いて、サイト制作をせずに他のお仕事をした場合に発生したであろう売上や、発生するはずの無駄な部分を未然に防ぐ成果が存在するはずです。

これらを合算すると、ソフト代に少し上乗せした位のコストしかかかっていないわけがありません。

仕事時間外でサイトのデザインや内容を考えたり、各部署との折衝や上司への報告などの付随する業務などを含めると更にコストは膨らみます。

サイト制作にかかる品質コスト

単に作るだけなら作業コストだけを考えればいいですが、品質となるとそうはいきません。

デザインや機能などをサイトに応じて発案し、組み上げ、実用に足るようにするための、いわば単に作るだけではない部分にもコストはかかります。この点は自分でできない部分が多く、依頼先のスキルを購入するようなイメージですから当然費用がかかります。

床屋さんの料金が道具や場所のコストをまかなうだけなんてこと、誰も思わないのと同じです。カリスマ美容師が稼ぐお金の大半はスキルや人気など、基礎的なコスト以外の部分でしょうし、それに異論を唱える人もいないでしょう。

ただ形になればいい、という場合はご自分で作れる範囲だと思いますので、依頼などせずに脇目もふらず自作することをお勧めします。

「自分で作る」を軽く考えない

制作会社提示してきた額が妥当かどうかを検討する際は、前述のあたりを考慮してみるのが一つの判断材料になります。が、失礼ながら作った経験がない方ほど、軽く考えておられる傾向があります。

制作会社が常に正しい金額を提示しているとはいいません。ですがしっかりと見積ができていない「自分で作る」コストを比較対象に判断するのは筋がとおりません。加えて、自分でできない部分で高品質をお求めの場合には…書かずともお分かりいただけると思います。

自分の価値も落としかねない

もしも、「ホームページ作成ソフトの代金でつくれないとおかしい!」という方は視点を変えてみてください。

仮にあなたが自分で実際に作った場合、あなたの成し遂げた仕事の価値はソフト代にしかなりません。就業時間中に時間をやりくりし、寝る間も惜しんで作り込んだホームページの価値は2万円もいかないのです。社内で作ると決まった以上、会社ではできて当然と思われるので労をねぎらわれることもないでしょう。それどころか、制作に時間を割いて通常業務が少しでも遅れれば、あなたの評価は下がります。

制作費の妥当性を検討される場合に自分で作る時のコストを比較に使うのならば、しっかりと考えていただいた方がご自分にとっても良いことだと思います。

自分で作ることが悪いことではない

今回はあくまで費用の点からみていますので触れていませんでしたが、ご自分でサイトを制作されることは決して悪いことではありません。全くの素人の方がホームページ作成ソフトでサイトを作り、大きな成功を収めることは充分にあり得ます。

ただ、その場合大抵は本業の質が良い場合に限られます。サイトを作っても中身を整えても、そのサイトで提供する価値(商品やサービス)自体がしっかりしているかどうかの方がはるかに重要です。

一発逆転を狙うギャンブラーでもない限り、本業の質を上げることがWEBでの成功の早道であるかと思います。

質の向上に寄与する可能性大

自分で作ることの最大のメリットは、サイトに掲載する内容の濃さです。

あなたご自身がご自分に事業に関して誰にも負けない情報を持っているのですから、書き手としてこれ以上の適任はいません。他人に説明するのも大変でしょうし、ひたすらコンテンツを作り込めば高品質サイトの作成が期待できます。

が、うまくいくには大事な前提条件があります。それは、分かりやすく伝える技術があるかどうか。どれだけ内容を濃くしても分かりにくければ読んでくれず、ユーザーに訴えかけることは困難になります。

伝える技術がおありなら恐れることはありません。一度作成してみることとお勧めします。

結び

この記事は「制作会社に優しくしろ!」という趣旨ではありませんので、お間違えのないようにお願いします。

金額と制作物の品質が釣り合わない時もあるでしょうし、依頼して失敗したと思われることもあるでしょう。そんな仕事に対してあんな額は払えないという判断も当然あり得ます。

ですが、いくらなんでもご自分で作る際の甘い見積を引き合いだされては困ります。自分以外を動かす以上、もう少し視界を広げていただかなければお互いが不幸になりかねませんので、ご留意いただければ幸いです。

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