テクニック紹介記事とのお付き合いの仕方

なんだか素晴らしいテクニック
なんだか素晴らしいテクニック

個別のテクニックを紹介してくれている記事への接し方について少々。私自身も肝に命じなければいけないことですが、他の方にもあてはまるかもしれないなぁと思った次第です。

分かっている人には当然のことだとは思いますが、時折振り返ってみると自分で自覚しているほど出来ていないかもしれないという事柄かなと。

読み手と書き手の関係というのはなかなか難しいですね。「関係」であるが故に相互にいろいろと変化し合うわけで、一律には考えられませんから。

テクニックとは部分的なもの

ブログの記事としてデザインやSEOのテクニックに関する記事は日々生産されています。焼き直しもあれば独自性の高い内容ありますし、あまり意味の無いものから非常に有効なものまで様々です。時には大きな助けになってくれることもあるでしょう。

しかし、テクニックというものはそのほとんどが局所的で部分的なものです。どれほど質が良く有益なテクニックでもこの点に変わりはありません。

読み手側は、この点を理解している必要があります。そうでなければ大きな間違いを犯すことになるでしょう。

テクニックに振り回されないように

テクニックを取り入れて利用すること自体は全く問題ありません。どんなものであれ、自分で試せば血肉にかえることもできるでしょう。ですがそれはテクニックをコントロールしていてこそです。

新しい情報や有効な情報に飛びついて、検討もなしに即実行というのは危険性が高いですから。

新たに得たその部分しか見ていないので、全体の関係性や基本的な要件からの判断や利用ができていないからです。細部ばかりが肥大した歪な構造は、脆弱でアンバランスで風が吹くだけで崩れてしまうかもしれません。

もしも自社の全てを体現するようなコーポレートサイトがそうなってしまってもよいのでしょうか?

ありがちな失敗その1

テクニックに振り回されての失敗と言えば、まず思いつくのがSEOでしょうか。

「相互リンク」「無料ブログ量産」「フォロワーやいいね!を購入」あたりの言葉に苦い思い出のある方もいらっしゃるはず。過去はどうか分かりませんが、現在ではリンク価値の無効化やスパムと見なされての対応をされたりと、検索エンジンからそっぽを向かれかねません。

「あの人はそれで儲けてるよ!」という向きもあるかと思いますが、その人はその人であってあなたではありません。同等の経験とスキルと、なによりその人と同じサイトがないのに同じ結果が望めるはずもありませんものね。もっとも、それが揃った所で…とは思いますが。

ありがちな失敗その2

デザイン的にも「流行りのフラットなデザイン」「なんでもレスポンシブウェブデザイン」「jQueyによるハデな動き」あたりがあてはまるかと思います。それぞれ全体を俯瞰した視点から導入すれば効果があるでしょうが、技術的な面だけを見て導入すると歪なサイトになります。

「有名なあの人がいいって言ってたよ!」という方もいるかもしれませんが、その人もその技術単体でどうこうとは言っていないかと思います。その案件でその技術が適していたから、という視点が根底にあるか明示されているはずです。もしもそういった視点がないのであれば…その人とは距離をおく方が良いかもしれません。

全体を見よう

安全かつ有効にテクニックを使う最善は、全体を見ることだと思います。WEBサイトに限りませんが、物事は関係性でなりたっていますからその関係性自体に着目するのです。

全体の関係性を意識だけでもてきていれば、目の前にある新たなテクニックが必要かどうかがある程度判断できるはずです。必要と判断できれば、次はどう活かすかという話になり一歩前進です。ですが、効果がない、あるいは今回は不適格と判断できればそのテクニックは不要なものです。

最初に必要なのは、テクニックをどう使うかではなく、必要か不要かを判断することのはずです。

要不要の判断なしに、テクニックに価値は見いだせません。

スピードはいらないのか?

「まずは全体を見ること」というと、「そんな時間は無駄だ。スピードを早めていかないと他に負ける」という批判もあるかと思います。立ち止まるな、前に進めと。

視点によって返答がかわってしまうのです、この記事の文脈での答えは以下のとおり。

「全体を見て判断するのに時間がかかる時点で問題」

言葉としては「全体を見よう」なのですが、常日頃から全体を見ていれば改めて一つ一つ確認する必要はありません。耳が痒いと思って「耳はどこにあるだろう」とは考えませんものね?イメージとしては、そういう身体性を適用できるレベルである必要があると思います。

なにはともあれ、自分のサイトなのですから。

実験的に利用

改めて書くまでもないことですが、実験的に導入して様子をみるのはもちろん良いことです。実際に試してみないと分からないことは多いですから、食わず嫌いは避けたいところ。

重要なのは適用先なので、その点はお間違えのないように。実験ができるサイトにならテクニックをどんどん継ぎ足しても大きな問題にはならないでしょうから。

書き手はどうするべきか

テクニックに関する記事を書く、書き手の側はどうするべきなのでしょうか?

「個別に対象や背景、注意事項など読者に必要な情報を明記すべし」という意見もあるかもしれません。ですが、個人的にはそういったものは必須にする必要はないと考えています。

もちろんあれば有益だとは思うのですが、読者自身に判断する能力を求めても良いのではと思うからです。その記事のターゲットにも寄りますから一概には言えないのですが、判断する能力がなけければ結局役に立たないだろうという考えです。

加えて基本的に、全ての人に合わせた記事なんて書きようがありませんから、書き手の側からの押しつけは必然ではありますが。

初心者向きのマニュルのようなサイト構成の1案

なお、初心者をターゲットにしてマニュアル的なコンテンツを書く場合、最初の投稿から順番に進むような作りでもないかぎり注意した方がよいかもしれません。

仮に通常のブログの体裁で構築したとして。ユーザーが最初の記事から順序よく見てくれるとは思えません。カテゴリーやアーカイブや関連記事があったとしても、やはりぶつ切りになりやすく体系的な学習法には合っていません。体系的であるべきかどうかという問題もあるのですが、順序を作ることに一定の効果があるというのは疑いようがないはずです。

この意味では、ターゲットに合わせた(と思える)構造から考えないといけないでしょう。

結び

ここまで書いたことをいきなり実践するのは難しいかもしれません。反射的に、ということもあるでしょうし。しかしこれは一朝一夕にはという意味であって、継続的に関わっていれば自ずとそうなるはずです。…程度の差はあると思いますが。

人間というのはどうがんばっても完璧にはなりませんから、必ず抜けがあります。必要なのは、抜けがあるということを自覚して自らに注意を促すことではないでしょうか?

常に同じ精神状態や体調でいることはできませんから、要所要所で特定の行動を起こす方が理にかなっているかなと思います。これも、人間の行動という全体を見た上でのテクニックの活かし方と言えるかもしれません。

テクニックに関わらず

今回の記事は「テクニック」をいろいろなものに置換えることができるかと思います。「すぐに儲かる!」「PVが2倍になる!」「順位が上がる!」などの甘い言葉を見た際にも思い出すと良いかもしれません。

好奇心を持って試すのは良いかもしれませんが、全財産を抱えてフルスピードで突っこむ判断がいかに危ないかは想像がつきますものね。もちろん、事前に試す「価値なし」という判断ができればそれはそれで良いのですが。

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