自作イラストが学校に盗用されていた(計2件)

記録的な意味合いの記事ですので手短に。以前に「イラストを盗用された」という内容の記事に付けたイラストをさらに盗用された経験もありますので、警告的な効果はまったく期待できませんから..。

内容は「またもやアイコンが盗用されていた」ということです。

なお、今までは「パクリ」という単語を使っていましたのが、ちょっと考え方を変えて「盗用」や「盗まれた」のような感じで「パクる」という以外の言葉でいきたいと思います。

[2014.4.14追記]
この記事を書いた少し後、また学校で盗用されていることがわかりましたので、下方に「学校の配布資料に盗用 2件目」を追記しています。

学校の配布資料に盗用

Googleの画像検索でPDFに地蔵アイコンが使われているのを発見。そのPDFは、某小学校のサイトに掲載されているPDFでした。

学校のサイトに記載されたメールアドレスに連絡し削除要請と状況説明を求めました。
説明を聞きたかったのは、以下の3点。

  1. WEB上のイラストを利用する上での著作権に対する認識
  2. WEB上にいつから掲載していたのか
  3. イラストの入手先

相手が個人ブログだと全然期待できないのですが、今回は学校ですから大丈夫だろうと回答を要求した次第。結果として、後述するようにご返答いただけました。

なお、やり取りのメールを引用する旨も伝えていましたので、必要な部分は適宜引用します。

WEB上のイラストを利用する上での著作権に対する認識

著作権法には教育機関での例外措置みたいのもの(記事末尾に引用しています)もありまして、その辺を絡めたなにかしらの見解が垣間見えるのではと考えていました。が、返答は以下の通り。

申し訳ありません。著作権について認識不足で、画像検索で出てきたので、使っていました。

だそうです。個人的には、認識「不足」ではなく認識が「ない」という印象です。

WEB上にいつから掲載していたのか

掲載日時に関しては多分日付だろうと思われる部分がどう見ても何年か前だったため、実際にはいつごろPDFをアップしていたのかが気になっていました。このブログをご覧の方はご存知かと思いますが、たまに画像検索をしているにも関わらず今日初めて見つけましたので…。

日付の古いものを最近掲載したのか、それともGoogleの画像検索の精度が上がったのか。
返答は以下の通り。

平成23年

実際には具体的な月日までありましたが、その辺はぼやかします。
しかしこの分ですと、精度が上がったということなんでしょうか…?

イラストの入手先

最初の質問の答えに既に出ていますが、入手先は以下の通り。

約3年前にヤフーの画像検索をして使いました。入手先ははっきりとわかりません。

以前のNAVERにまとめられた件かと思いましたが、画像検索の検索結果から保存してきたそうです。「入手先ははっきりとわかりません。」というのは、「画像検索の画像をどこから引っ張ってきていたのかが分からない」という意味でした。

なんというか、画像検索の検索結果から直で持って来られると手の打ち用がないですね…。画像検索経由でアクセスもあるため、非表示はなるべくならやりたくない。

「画像検索で表示されたものは私物の画像フォルダーじゃない」という理解になぜ至らないのか、と思いましたが…。万引きがなくならないのと同様に、例え悪いとわかっていても目の前にあるなら盗ってしまえるのが人間の一面ではあります。

いわんや、悪いとも思っていない方には何の期待もできません。

学校の配布資料に盗用 2件目[2014.4.14追記]

続いて2件目。また学校サイト内のPDFに掲載されていました。感想としては1件目と同じなので手短にいきます。なお、こちらも該当PDFは削除を確認しています。また、メールからの引用は了承を得ています。

WEB上のイラストを利用する上での著作権に対する認識

返答を引用します。

インターネット上に掲載されているイラストや画像については,フリーの表示がないものは著作権があるので無断で使用することはしないようにしています。また,フリーの作品であっても作品の使用について制限が表示されている場合があるので使用にあたっては注意するように呼びかけています。データだけでなく紙媒体についても,コピーする場合は著作権に関わる場合があるのでよく調べて慎重にコピーするようにしています。

いただいたご返答内容は特に問題がないように思えますが、その上での今回の件というのが実情です。

ちなみに、この回答をいただくまでの間に土日を挟んで数日あったのですが、その間に校内で、この件に関しての情報共有と著作権についての研修を行ったそうです。
こちらから要求したものではなく自主的にされた形ですので、効果があると期待したいです。

WEB上にいつから掲載していたのか

今回も日付まで分かっていますが、年度のみ引用します。

平成25年

イラストの入手先

今回も不明ですが、少し気になる部分がありましたのでそこのみ引用します。なお伏せ字は私の判断です。固有名詞ではありませんが念のため。

〇〇に掲載する内容を検討している際,道徳の教材に「きつねとお地蔵さん」という話があることを知っていたので,〇〇に掲載しようと思いました。その際,内容を調べるためにコンピュータで検索したところ,教材文と一緒に指摘されている「お地蔵さん」のイラストが載っていたので,コピーさせてもらったそうです。イラスト制作者の許可なく使用したとは思っていませんでした。

詳細を伺ったのですが、「教材文と一緒」というのがよくわかりませんでした。
が、この記事を書きながら仮説を思いつきましたので少々。

よくよく考えますと、1件目と2件目は同じような内容で、使われ方もほぼ同じでした。そして、1件目は平成23年からweb上に存在しています。とすると、可能性として1件目が2件目を誘発したというのがありえるかなと。

仮説に仮説を重ねても仕方ありませんが、以前のNAVERまとめのようにフリー素材として第三者に使われて配布され、実際に使われていた経験もありますので、腑に落ちる部分はあります。

仮説通りなら今後は増えないだろうと思いますが、もしもどこかで「教材文」とやらとセットで配布されているようなら、今後もでてくるのでしょう…。

結び

以上が今回の経緯です。

既に該当のPDFは削除されていますし、個人や学校を糾弾するつもりもなければ話を大きくしたい訳でもなく、なによりこれ以上関わりたくないので、この件はこれで終わりです。

もっとも、このPDFは当時印刷して配布されていた可能性が高く(PDFに「裏面」という言葉がありましたので)、以前とは違う意味で盗られて配られたということになり、げんなりしますが。

今まではNAVERの利用者だったり、会社や個人のブログだったりしましたが…。よもや教育機関の職員が、教育目的で配布する資料の中に使う事態は考えてもいませんでした。

教育機関での著作権に対する意識なんてそんなもんなのでしょう。もはや何かを期待する気さえ失せました。

補足

ちなみに、著作権法には図書館での私的利用による複製と同じく、学校にも例外規定があります。具体的には以下に引用します第33条から第36条のあたりです。なお、引用元は「法令データ提供システム」内にある「著作権法」です。

(教科用図書等への掲載)

第三十三条  公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、教科用図書(小学校、中学校、高等学校又は中等教育学校その他これらに準ずる学校における教育の用に供される児童用又は生徒用の図書であつて、文部科学大臣の検定を経たもの又は文部科学省が著作の名義を有するものをいう。以下同じ。)に掲載することができる。
2  前項の規定により著作物を教科用図書に掲載する者は、その旨を著作者に通知するとともに、同項の規定の趣旨、著作物の種類及び用途、通常の使用料の額その他の事情を考慮して文化庁長官が毎年定める額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
3  文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。
4  前三項の規定は、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)の通信教育用学習図書及び教科用図書に係る教師用指導書(当該教科用図書を発行する者の発行に係るものに限る。)への著作物の掲載について準用する。

(教科用拡大図書等の作成のための複製等)

第三十三条の二  教科用図書に掲載された著作物は、視覚障害、発達障害その他の障害により教科用図書に掲載された著作物を使用することが困難な児童又は生徒の学習の用に供するため、当該教科用図書に用いられている文字、図形等の拡大その他の当該児童又は生徒が当該著作物を使用するために必要な方式により複製することができる。
2  前項の規定により複製する教科用の図書その他の複製物(点字により複製するものを除き、当該教科用図書に掲載された著作物の全部又は相当部分を複製するものに限る。以下この項において「教科用拡大図書等」という。)を作成しようとする者は、あらかじめ当該教科用図書を発行する者にその旨を通知するとともに、営利を目的として当該教科用拡大図書等を頒布する場合にあつては、前条第二項に規定する補償金の額に準じて文化庁長官が毎年定める額の補償金を当該著作物の著作権者に支払わなければならない。
3  文化庁長官は、前項の定めをしたときは、これを官報で告示する。
4  障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律 (平成二十年法律第八十一号)第五条第一項 又は第二項 の規定により教科用図書に掲載された著作物に係る電磁的記録の提供を行う者は、その提供のために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。

(学校教育番組の放送等)

第三十四条  公表された著作物は、学校教育の目的上必要と認められる限度において、学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準拠した学校向けの放送番組又は有線放送番組において放送し、若しくは有線放送し、又は当該放送を受信して同時に専ら当該放送に係る放送対象地域(放送法 (昭和二十五年法律第百三十二号)第九十一条第二項第二号 に規定する放送対象地域をいい、これが定められていない放送にあつては、電波法 (昭和二十五年法律第百三十一号)第十四条第三項第二号 に規定する放送区域をいう。以下同じ。)において受信されることを目的として自動公衆送信(送信可能化のうち、公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置に情報を入力することによるものを含む。)を行い、及び当該放送番組用又は有線放送番組用の教材に掲載することができる。
2  前項の規定により著作物を利用する者は、その旨を著作者に通知するとともに、相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

(学校その他の教育機関における複製等)

第三十五条  学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2  公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第三十八条第一項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

(試験問題としての複製等)

第三十六条  公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。
2  営利を目的として前項の複製又は公衆送信を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない。

余談としては、図書館での利用(第31条等)を含めてこの辺りの条文は「第五款 著作権の制限」という括りになっています。視点を変えれば、他の大部分は基本的に著作権者の権利を規定するものであり、著作物の利用を促進させる趣旨ではありません。

更に余談ですが、法令の条文や通達などには著作権の保護対象にはなりません。こちらに関しては下記の第13条に該当します。

(権利の目的とならない著作物)

第十三条  次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。
一  憲法その他の法令
二  国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
三  裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
四  前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの

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