[2013.2.1 末尾に追記]
以前からモヤッとしていた事柄で、少し前にTwitterや大阪SEO飲み会でお話させて頂いたりお話を伺ったりで刺激を受けて、ようやく形になった事柄があります。
そんな今回の記事の主題は、SEOとはなんだろうという現時点での自分なりの答えです。
とはいえ、革新的な意見でも、有用な考えでもないでしょう。後述しますが、私自身からして外から見れば他と何ら変わりないのですから。
しかしながら、全くの無意味ではないでしょう。読んでいただいた方に、なんとか小さな実りお渡しできればと思います。
SEOとは
いきなり結論です。
「SEOとは、マイナスを0にする技術」
であると考えています。
マイナスの状態とは以下のような状態を指します。
・検索エンジンにインデックスされない
・登録されてもrobots.txtの設定ミスで検索されない
・.htaccessリダイレクトの記述ミス
・重複コンテンツによる悪影響
・意図した内容とは違う内容だと認識される
・etc
などなどで、検索エンジンを利用するユーザーに見つけてもらうための土俵にすら立てない状況をマイナスの状況であると考えます。そして土俵に上がること、つまり0になることがSEOの役目ではないかと思っています。
ファインダビリティ
ちょっと言葉を替えますと、これはファインダビリティの確保といえます。なお、ファインダビリティとは「見つけやすさ」という意味です。つまりは、
「SEO=ファインダビリティ」
です。言い切ると恐いですが、意図としては非常に明確にこういうのもだという感覚があります。SEOの技術を用いて成し遂げるべき、あるいは成し遂げられる限界の範囲がこのファインダビリティの範囲に収まります。
上位表示とは
で。
上記の文脈から考えますと、上位表示がSEOというのは違和感があるわけです。それを言葉にすると、
「上位表示技術は、0を1以上にする技術」
となります。
土俵に立つ以上の効果を求めていますから、極端に言えば上位表示はSEOじゃありません。上位表示は上位表示であり、検索エンジンへの最適化ではなく、検索エンジンへの攻撃であり挑戦であり、過剰なアプローチです。
ブラックハットSEOもホワイトハットSEOも同じ
SEOと上位表示を分離した場合、ホワイトハットSEOとブラックハットSEOは同じものだと考えることができます。なぜなら、どちらも上位表示を目的としているからです。
もちろん、ホワイトハットとブラックハットはその根幹において大きな違いがあります。検索エンジンが決めたルールの枠内からはみ出さない範囲で動くか、ルールの枠外からスキをついて動くかです。この差は大抵の場合、効果の大小や即効性の有無などにも影響します。
それぞれのビジネスや目的、許容できるリスクの範囲、何よりも継続性の点を考慮して選択されることでしょう。検索結果の順位が上位か下位か、もっと言えば1位かそれ以外かの差は如実に収益に関わる場合が多い、非常に重要な事柄です。
ですが、これはSEOではなく最適化でもありません。そして同様に、SEOスパムというものもなくそれはただのスパムです。
SEOという言葉の現実
とはいえ、SEOと上位表示は密接に結びつきすぎました。もはや「検索エンジン最適化」という筋からそれて、「検索エンジン私物化」の領分にいるように思えます。そしてSEOがこの位置にいることが、一般に認知されすぎてしまいました。
私自身、必要があればSEOと上位表示を結びつけて話をするでしょう。説明の手間もありますし、WEB上での情報発信において大勢を占める用語の使い方は無視できません。私1人しかわからないような造語を振りかざしてみても、大した意味はありませんし。
それ故に端から見れば、「SEOは1位をとるための技術だ」と思っていた頃と今との差はほとんどないかもしれません。
SEOと上位表示の切り分け
SEOと上位表示を切り分けることに意味はないのでしょうか?それは違うと即答できます。
SEOと上位表示を切り離して考えることに意味はあります。
冒頭に述べました「SEOはマイナスを0にする技術」はいわば絶対に必要な土台です。その上で、上位表示のための施策を行います。
このように考えると、クライアントの場合はどこに経費を費やし、どこに投資を行うのかが明確に判断できるはずです。例えば、サイトの土台となるSEOにはお金や時間を惜しまずに使い、上位表示は必要に応じてという具合です。予算の優先度も決めることができるでしょう。
製作の場合はやるべきことが明確になります。製作がやるべきなのは上位表示ではなくSEOだと明確にできますから。
製作が上位表示まで請け負えるのも最善の形の一つかもしれませんが、道は困難です。ブラックハット手法なら絶え間のない研究と実験が必要ですし、ホワイトハットならマーケティングなど大きな概念からの活動が必要になるはずです。できている会社さんはあると思いますが、大抵は張り子の虎かお飾りでしょう。
概念の切り分けと名前
概念を明確に切り分けて考えることは、様々な局面で有効な方法です。関連して、名前を付けるという行為も重要です。
一番分かりやすいのは、0の発明でしょうか。0という概念とそれを表す名前は、多くの事柄を生み出すことができたのですから。
SEOでも上位表示でもどちらでもいいという考えでは見えないものやできないことがあります。少なくとも私自身はそう感じていますし、概念を切り分ける過程や切り分けた結果にいろいろと得るものがありました。その過程や結果は当ブログの他の記事をご覧いただければお分かりいただけるでしょう。
結び
SEOについて書いてみましたが、ご覧の通り、だからどうしたという内容かもしれません。見方によっては言葉あそびと思われるかもしれません。
SEOという言葉が生まれた背景や込められた思いは、上位表示であり可能性は高いでしょう。そうであるなら、この記事で書いている内容は残念ながら本筋から逸脱した意見となってしまいます。
とはいえ、現時点において検索エンジンから求められているSEOという概念には近いと思っていますし、そこに沿うことがリスクを極限まで減らす結果に繋がるはずです。リスクが小さい程その後の選択肢は広がり、サイトの継続性は強化されることになり、結果としてそのサイトにとって良い効果が生まれるでしょう。
なお、SEO対策で上位表示というサービスを非難する意図はありませんので、その点ご了承ください。ただ、私個人が考えるSEOという概念とは違うと感じるのみです。違うものを非難しても意味はありませんし、非難したいとは思いません。とはいえさすがに、コンテンツ丸パクリがSEOサービスだ、などという場合は非難しますが。
追記 [2013.2.1]
この記事を承けて、SEOが専門である「SEOのホワイトハットジャパン」の樋口さんが記事を書かれています。
SEOに対する見解や、最適化とスパムなど具体的な内容を書かれていますので、ご一読をお勧めします。
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