主題は、非SEO専門である制作に携わる人間として、巷のSEOの情報をどう受け取るのがよいのかというものです。以前も似たような記事を書いていますが、再度チャレンジしてみました。
情報の入手経路は個人個人で様々ですし自分の考えがベストだとは思いません。しかしベストでなくともある程度のベターであれば多少の価値はあるのではと思ってはいます。
本題の前に一点ご注意を。この記事で特定の誰かや集団を批判する意図はありません。その点はご理解ください。結局のところ誰しも推測するしかなく、どこもかしこも怪しい情報にならざるを得えないのですから。
SEOの情報に対する基礎的な理解のために
最初に一言。この記事でいうSEOは上位表示という狭い範囲のことではなく、検索エンジンに対して行うすべてとお考えください。
さて、情報を判断や理解するためには基準となる指針が必要です。具体的には以下のPDFとURLが良いでしょう。いずれもGoogleのものです。
上記はおそらくいろいろなところで目にすると思います。だから重要、ではなく現在の検索エンジンの中身がGoogleがメインだというとても単純な点が重要です。BingがメインならBingの公式の情報が重要です。
鵜呑みにしろということではなくて、SEOは主体はどこかを考えれば当然の結論であるはずです。
前述のURLで検索エンジンが「やっていること」と「やりたいこと」、ウェブマスターに「やってほしいこと」が何となくイメージできるかと思います。
基本的には、これらのことを念頭に置いて情報を見ます。
情報の信頼性や正確性
そもそもの話ですがSEO専門のブログであれなんであれ、
検索エンジンの人ではないので内容には常に疑問符がつく
のは当然で、仮に
検索エンジンの人でも内部の情報を正確に外にだすかは別問題
です。少なくとも、スパムに利用されそうな効果的なことを漏らすとは思えません。また、
部分として正確でも全体として求める効果があるかは別問題
です。Web上に転がっている情報の信頼性や正確性は、これらの前提を考えれば想像がつくと思います。
SEO情報の接頭語は「検索エンジンが理解できる」
コンテンツにしろなんにしろ、SEOの文脈で語られるものはすべて「検索エンジンが理解できる」ものが前提です。検索エンジンが理解できないものはどうがんばってもSEO上は有効になりません。
- 「検索エンジンが理解できる文章」
- 「検索エンジンが理解できる画像」
- 「検索エンジンが理解できるレイアウト」
- 「検索エンジンが理解できるシステム」
- 「検索エンジンが理解できる質」
- 「検索エンジンが理解できるサイト」
- etc…
「優良なコンテンツをつくろう!」という発言にも、「検索エンジンが評価する」という言葉が前につきます。
そのため、「人間が評価するものを検索エンジンも評価するから、まず人間に対して考えるのが基本だ」というだけでは不足しているはずです。結局の所、
検索エンジンが分かることしか、検索エンジンには評価できない
のですから、検索エンジンが何を評価できるのかを考えた上でないと評価の対象にすらならない可能性が高いです。
もちろん今後はどうなるかわかりません。ですが今、検索エンジンを無視して人間に対してのアプローチから入るにはまだ早いと思います。
発信者の属性から見るSEO情報の見方
いろいろな方がSEO情報を発信されていますが、ある程度の傾向があるように考えています。以下には、個人的な見方をかなりざっくりと記載します。
実際にはあてはまらない方々を何人も知っていますので、私個人の視界の中ですら厳密言えば成り立ちません。しかし、私たち「SEO情報に疎い制作」であるならばある程度の大きな枠で考えた方がよいかと思いますので、荒さはご了承ください。
SEO専門の方
専門性があり情報の質が高いと思われるのが、SEO専門の方が発信する情報。
しかしながら、発信している情報は部分的なものが多く、SEOの知識が無いと理解ができません。その意味では、ピンポイントに困りごとの解決になる場合を除いては参考程度となります。
また、SEO専門として顧客を抱える方々ですので、それぞれのスタンスを守っているはずです。そのため、それぞれのスタンスを把握しなければフィルターのない情報が見えません。検索エンジンのスピーカーのような方もいれば、意図的にあやふやな情報を流している方もいるようですし、それらを判断するにはこちら側に力が要ります。
アフィリエイトの方
アフィリエイトの方のSEO情報は、身銭を切った具体的で現実的なものだと思います。ただ、あまり制作が重視するべきではないと考えています。
手法として、中古ドメインの利用や被リンクを自前で用意するタイプが多く、制作が手を出す範囲とは思えないからです。何よりもドメインを「消費」するものとして扱う傾向があり、制作のスタンスとは合いません。
他の特徴として、主観的すぎる点が挙げられます。極端に言えば「試してできたこと」の総体であり、その方以外には当てはまらない可能性が高いです。もっといえば、その方にしても「そのタイミングとその状況」という限定的なものではないかと思います。
時としてSEO専門の方の情報を見て、それを自己流の解釈で書いておられる場合もありますが、それらの情報の信頼度は低いことが多いように思います。
上記以外の方
非SEO専門でありアフィリエイターという訳でもない方、一例としてはこのブログですが、ストレートに言えば信頼性は皆無でしょう。
経験も理論も足りず、ふわっとしたことしか情報発信しかできていないことが多いように思います。気付きのきっかけになる可能性がないとはいえませんが、基本的には疑ってかかる類いのものだと思います。
海外発信の情報の受け取り方
記事を実際に書き始めるきっかけになりましたので、海外発信のSEO情報の受け取り方について少々。
基本は原文やソースを見ることですが、これには以下の前提があります。
- 該当情報の言語が読める
- SEOの知識がある
言語ができてもその分野の専門知識がなければ理解できず、知識があっても言葉が読めなければ理解できないのは当然のことです。
発信元の言語の問題もさることながら、専門的な内容を理解するだけの知識です。これらができないと意図の把握が困難でしょう。となりますと、日本語に訳している情報を見ることが多くなるはずです。
妙なブログをみても害になるだけですので、個人的によく見るサイトをご紹介します。
SEMリサーチ
「SEMリサーチ」
SEMリサーチは筆者の渡辺さんの解釈や説明を加えて発信されています。SEO情報は基本的に分かりにくいので、筆者の方のフィルターを通した解釈を読む方が理解しやすいでしょう。
なお、SEMリサーチさんは海外発信の情報専門ではなく、発信されている情報の中に海外の情報が含まれている形です。
SEO Japan
SEOの翻訳記事と言えば、SEO Japanさんが筆頭かと思います。私は英語が得意でないので自分で判断がつきませんが、特徴として直訳っぽいと伺ったことはあります。
内容は専門的であり、制作には厳しいレベルの内容が多々あります。海外発信の情報を目にした際にこちらの過去記事を見れば、関連する情報が見つかる場合もあります。
結び
本文中で書いていますが、この記事も怪しげなSEO情報の1つにすぎません。どうあがいてみてもその程度です。記事ではエラそうなことを書いていても、私自身にSEOの知識も技術もほとんどありません。これらはアクセス解析などを見れば十分に自覚できます。
しかしながら、情報はどんなものであれ見る人が見れば価値を生むことが多いです。ここまで書いてきたように全部が怪しいのですが、「怪しい情報=間違った情報」ということではありません。また、見ること自体が問題でもありません。
結論としては、
情報の受け手次第
というごく当たり前の結論となります。
補記1:SEOのレベルチェック?
情報を判断するには発信者の特徴を掴む必要がありますが、すべての方を把握するのは非常に困難です。それぞれの属性に属する方々を決めておいて、そこを中心に情報を集めることが現実的だと思います。
なお、SEO情報の見方をある程度持っているかどうかの判断基準として、個人的には下記のサイトを見ることをオススメします。
こちらのサイトは、検索エンジンのその時々の状況をネタのようにして継続的に掲載しています。「検索エンジンの動向を詳細に解説」や「上位表示のための役立つ情報」などの類いではありません。
SEOについて知識やある程度のイメージがあれば、このサイトの記事はかなりの情報量があることが分かるはずです。つまり、
「検索エンジンが何をどう判断して、その結果どのように表示しているのか。」
を見ることが可能なのです。記事を見てこういった事柄を考えられるかどうか、何かを得られるかどうかがポイントになるでしょう。
補記2:アフィリエイトのSEO
補記1よりもやや難度が高いと言いますか、また違った情報源として下記の方が挙げられます。
アフィリエイトの方のTwitterアカウントですが、リツイートが多く、この方のフィルターを通してアフィリエイト方面の情報を多数閲覧可能です。注意点としては、この方のリツイートは「必ずしも同意ではない」という点です。多くはネタを提供するという視点の模様です。そこを間違えるといろいろと問題があるので、留意してください。
流れてくる情報を見て、何を考えどう行動するか、あるいは行動しないかはよい訓練になるかと思います。
ちなみに、たかぽんさんはWebへの理解と経験が高レベルな方だと個人的に思っている方です。
補記3:演繹法的アプローチ
検索エンジンへのアプローチの方法として、サーバーやプログラムの側から検討する方もいます。演繹法的と言いますか。仕組みが分かればそこから現れる状態が推測できるため、有効な方法だと思います。
仮にサイト内部の構造的な部分を評価される(プラス評価よりもマイナス評価の印象ですが)として、それは検索エンジンのプログラムによって判断されるわけですから、理論から考える方法は自然なアプローチかもしれません。
サイト構築に有効な情報は、経年でも変化しない情報だと思いますので、その意味では根本的な部分に触れているであろう演繹法的な方の情報が比較的有益だとも考えられます。個人的な推測にすぎませんが。
検索エンジンの仕組みが分かるのかという疑問もあるかと思いますが、人間が集まって作っているのであれば解き明かすことも可能なはずです。検索エンジンと同じスケールの環境を用意する必要はおそらくなく、ある程度(といっても簡単とは思えませんが)の設備で可能なのかもしれません。
目にしやすいSEO情報は帰納法的なものが多く、それ故に各自の手持ちの情報に左右され、導かれる結論が右往左往しやすいように思えます。それが間違いだとは思いませんが、こちらのみでは不足だとは思います。
補記4:検索エンジンは人を見ている
個人的な考えですので、与太話程度にご覧いただきたいのですが。
検索エンジンはサイトに対してだけアプローチをしているわけではなく、サイトを所有する人間に対してもいろいろと手を打っていると思っています。
サイトを作る側が「検索エンジンではなくその先の人を見よう」といっているのと同様に、「サイトではなくそれを作った人を見よう」という感じでしょうか。
分かりやすくいうなら政府広報のようなイメージで、検索エンジンからの発言には意図があり、意図無くしてなにかの情報を出すことはないと思います。時には勇み足も間違いもあるでしょうが、基本的にはアナウンスを聞かせて操作したいという目的があるはず。
常に裏を読めということではありません。制作としては、発表はなるべく早く耳にいれて内容をそのまま把握する程度でよいと思います。例えば「SEOとコーディング」などの話を耳にしても飛びつかないことが重要です。
「なぜそれを発表するのか」は考えれば大体想像がつきます。公式ブログなどを読めばたまに書いていることもあります。想像がつかないのは「判断する能力」か「判断するための材料」のいずれかが足りない可能性があります。
補記5:SEOでいうところのコンテンツ
SEOの話の中で「コンテンツ重視」という言葉を見ることもありますが、制作としては「コンテンツなんて基本だろう」と思われるかもしれません。
が、SEOでいう「コンテンツ」は本文中で述べたような「検索エンジンが理解できるコンテンツ」であったり、「直接的ではなく間接的に検索エンジンから評価される可能性のあるコンテンツ」であったりと、制作がサイト構築時に考えているものとは視点が違うと思われます。
発言者の理解度やスタンスにもよるのですが、狭義では「リンクが付くようなコンテンツ」であり、バックリンク獲得のためのネタという意味です。もう少し広義では「SNSなどで拡散して大量のソーシャルシグナルを獲得するコンテンツ」です。
私自身理解し切れていませんが、もう1つあると思っています。大した仮説ではありませんが、継続的に参照されるような内容で、かつSNSなどで短期的に拡散可能な作り込みを行っているコンテンツだと考えています。
制作ならば「継続的に参照されるコンテンツ」という視点は持っていると思いますので、そこに拡散する仕込みをつくれれば、と考えるのが自然なアプローチかもしれません。
なお、いずれにせよ検索エンジンがなにを評価する(評価したい)のかが念頭にないと空振りに終わると思われます。
0人がこの記事を評価
役に立ったよという方は上の「記事を評価する」ボタンをクリックしてもらえると嬉しいです。
連投防止のためにCookie使用。SNSへの投稿など他サービスとの連動は一切ありません。