SEO業者と話す時の心構え

SEO業者との対話
SEO業者との対話

サイトを作れば、どこからともなく現れるSEO業者からの電話攻勢。時には足を運んで営業に来る事も。
相手は専門家として営業をかけてきますから、営業を受ける側に準備がなければ流されるままになる恐れもあります。

「SEOは分からない」などと嘆いている余裕はありません。会社全体でとは言いませんが、最低限WEB担当者の方だけは属する組織の中で彼らと渡り合う力を持たなければならないのです。

これはSEOに限った事ではなく、他の仕事と同じように自分の担当範囲であると自覚しなければいけない事柄です。
他部署の同僚に判断を任せてはいけませんし、SEO業者の話を鵜呑みにして判断してもいけません。判断は、担当者の仕事です。

SEO業者の話を判断する方法

SEO業者の営業トークを聞いて判断する場合、一番重要なのは自分のビジネスに基づく判断を行う事です。

基本的に営業をかけてくるSEO業者というのは検索順位の上昇を提示してきます。そこから、このキーワードならこれぐらいのボリューム(検索結果の数)があり、上位にくれば売上が上がると言われるでしょう。
検索結果の上位にくれば自然と人の目につく、いわば大通りに面した立地が確保できるというわけです。「集客できる!」とWEB担当者は思う事でしょう。
が、ここでSEOという馴染みの無い分野ではなく身近な内容に置換えて考えるべきです。

自分の商売に基づいて考える

名前も知らない土地ですが、駅前の大通りにお金を出せば出店できそうな場合。いきなり飛びつくでしょうか?普通、飛びつきませんよね。
まず、その駅の乗降者数や行き交う人の属性、駅がある地域の特性や周囲に広がる競合店の状況を調べないでしょうか?お金を払って調査を調査会社に依頼しませんか?
調査結果を見て、商売として成り立つならば出店となるはずです。高級ワインを並べたワインバーを高校生ばかりが利用する駅前に作っても、あまり意味はないのですから。

では、SEO業者が提示してきたキーワードはどうでしょう?彼らはあなたのために、綿密な調査を行っているでしょうか。調査会社に支払うよう金額も払っていないのに。

目の前に提示された提案は、ビジネスの成功を何一つ約束する物ではありません。それは、記載されたキーワードで上位に表示するというただそれだけ効果が掲げられているのです。そのキーワードにおける上位表示と売上がイコールかどうかを判断しなければなりません。

この判断が、SEO業者と話す際に重要な指針となります。

対話の方法

SEO業者と対話するための基本は、自らの知識を増やし感覚を養う事です。

WEBサイトの担当者であれば、SEOに関する判断は間違いなく業務の一部です。他に押し付けたり、ましてや業者に丸投げでOKという類いの事柄ではありません。自分の仕事だと自覚して、最低限の知識を身につけて提案の有効性を判断する感覚を磨いてください。

なお、技術的な話でSEO業者を追いつめるレベルになる必要はありません。おかしな提案に違和感を感じられれば良いのです。

SEOの知識や感覚を磨く場合、『SEOとその周辺』さんの下記の記事がお勧めです。個人的感想ですが、内容がプレーンで教科書的な印象を受けるため基礎段階で一度目を通しておくと良いかと。記事内には有益なサイトの一覧もありますし。

具体的な対話の進め方

SEO業者との対話の方法
SEO業者との対話の方法

ある程度知識と感覚が養えれば、SEO業者に対して有効な対応ができます。
以下には参考として『Webアナリスト養成講座 』という書籍に書かれた内容を記載します。個人的には有効だと考えていますので。

その方法とは、SEO業者に「だから、なに?」と繰り返し問いかける方法です。例示すると以下のようになります。

SEO業者が「上位表示」を売り込んできたとします。その際に、

「だから、なに?」

と問います。
SEO業者は「アクセスが増える」と言うでしょう。その際に、

「だから、なに?」

と問います。
SEO業者は「多くの人に見てもらえる」と言うでしょう。その際に、

「だから、なに?」

と問います。

このように繰り返し繰り返し質問しながら話をすすめ、怪しさを感じずにビジネス的なメリットとして把握できれば検討するべきだと判断できます。
もしもどこまで聞いても説得力がなければ、その業者の提案はあなたにとって必要ではないのです。

SEO業者は敵ではない

忘れてはいけないのは、SEO業者は敵ではないという事実です(一部には怨敵のように思える所もあるようですが)。前述のような、調査会社に依頼して得られる高精度で有益な情報を無料で提示してくれる訳がないのですから。そういった提案を期待するのは筋がちがいます。

むしろ、営業をかけてくるSEO業者が「このキーワードで売り上げアップ」といってきたら怪しむべきだと言えます。会社の内部を知らないのに、売上がアップすると判断できる訳がありません。

SEO業者が提示するのは、あくまで事前に予想したキーワード以外の何者でもありません。

全ては担当者が判断

自社サイトにアクセス解析を導入し、キーワードに関する情報(コンバージョンに貢献しているキーワードを把握しているなど)を得ている事が前提とはなりますが、SEO業者に対してこちらから提案する事も有効です。

例えば、あるキーワード11〜20位にいるが、このキーワードでアクセスしたユーザーのコンバージョンが多い場合。そのキーワードで3位以内にもってこれるかという提案です。
可能だという返事であれば、契約締結が視野にはいります。

業者の信頼度という視点からの判断について、前述の『SEOとその周辺』さんに参考になる記事がありますので、そちらもどうぞ。

結び

現在ではパーソナライズ(個人の検索行動による変化)やローカライズ(検索者のいる地域による変化)などの影響で、順位に以前程絶対的な意味はみいだせません。
SEOは重要な集客手法ではありますが、資本を投下するのに最善かどうかはまた別の問題なのです。

加えてSEO業者の手法がリンクの付与のみである場合。Googleの進めるリンク評価の操作(上位表示目的のリンク評価を下げるなど)の影響を受ける可能性があるため、リンクを付けるという外部対策自体の有益性を判断しなければなりません。

前述のSEOの知識に加えて、トレンドを把握する必要もあります。これらが面倒でできないというならば、信頼できるコンサルタントを見つけて高額な料金を支払い丸投げするか、SEO業者の営業を完全に無視するほうが良いでしょう。

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