WordPressを用いた多言語化サイト構築に関する調査の際に、XServer製のWriteテーマに関して調べたことをメモとして。
前提
- 対象はXwriteテーマ
- 2025.12時点でサポートに質問して得た情報を、転載や引用の許可をいただいたうえで記載
多言語対応
- 多言語対応テーマという特徴はない
- Polylangなどのプラグインで多言語化可能だが、すべてが翻訳可能ではない
対応プラグイン
サポートから以下のような回答を得ました。
下記プラグインが利用できることを確認しています。
- Bogo
- Polylang
- TranslatePress
いずれのプラグインも、サイト内全てのテキストを完全に翻訳することは難しくございます。
たとえば、以下のような部分で、翻訳ができない場合がございます。
- テーマによって表示している一部の箇所(関連記事、プロフィール、日付等)
- ユーザー側で自由に入力できる箇所(コメント欄など)
- 検索結果のページや、遅延読込により動的に文字が変わる箇所
その他の注意としまして、プラグイン「Bogo」でウィジェットを多言語化するためには、別途プラグイン「Classic Widget」の利用が必要です。
なお、担当部署にて確認したプラグインの中では、「TranslatePress」がサイト内の9割程度の文字を翻訳が可能でございました。
他の翻訳用プラグインの利用に関しては他のテーマでも同様に対応できない部分があるという情報もあり、他のテーマと同等の状況だと考えられます。
多言語対応テーマ
「多言語対応テーマ」という語句の定義自体が曖昧ですが、「管理画面内を任意の言語で表示する」ということではなく、一般的には以下が期待されていると思われます。
- プラグインを使わずに、ユーザーが閲覧するページが複数言語で表示可能で、言語切り替え機能がある
(例:Shopifyはシステム側が多言語化前提なので、仕様に沿って作られたテーマはほぼ多言語対応テーマとなる)
上記に意味では、調べた範囲では以下のテーマのみが一応該当するようです。
- LIQUID PRESSシリーズのCORPORATEテーマ
LIQUID PRESSシリーズであれば、他のテーマでも有料プラグインを使うことで同様の機能が使える模様です。
なお、CORPORATEテーマは3言語までですが、有料プラグインの場合は5言語までつかえるなど違いがあります。
ただし、調べた範囲ではこの機能は以下のいずれかで構成されたサイトが必要であるため、「1つのWPサイトに複数言語」という当然のように考えていた前提が崩れます。
- マルチサイト
- 言語別に複数のWPをインストール
おそらくですが、LIQUID PRESSシリーズの多言語化機能の本質は以下であるように思われます。
- hreflangの出力(手動で全言語のスラッグを揃える必要あり)
- 言語自動判定切替
ここまでを踏まえ、あくまで調べた範囲内ではあるものの、希望する形のWordPress用多言語化対応テーマは存在しないと言えます。
その他のプラグイン
テーマとして対応を確認しているプラグインを質問したところ以下の回答を得ました。
下記のプラグインはXwriteでの動作を確認しております。
高速化・軽量化系
- Converter for Media
- EWWW Image Optimizer
セキュリティ対策系
- XO Security
SEO系
- Google XML Sitemaps
フォーム系
- Snow Monkey Forms
- Contact form 7
アニメーション系
- Animation for Blocks
日本語環境向け
- WP Multibyte Patch
補足
公式による情報提示
念のため確認したところ、当記事に引用した情報などが掲載されているページは存在しないそうです。
ドキュメント化するとメンテナンスが必要となりコストがかかるからかなと思いますが、残念です。
Shopifyの多言語化
把握している範囲では、タグの翻訳はできなかったと思われ、越境EC専門というべきShopifyもデフォルトで完全な多言語化はできないという認識です。
工夫すれば対応できる可能性はありますが、逆に言えば工夫しないと対応できない状態です。
タグの多言語化ができあに正確な理由はわかりませんが、以下のような理由ではと推測しています。
- 入力した文字列をそのまま使う仕様のため、翻訳できてしまうと問題が起こる
- Shopifyのタグは管理用の側面が強く、基本的にはストアフロントに表示するためのものではない
なお、WordPressはタグやカテゴリーが表示名とスラッグに分かれているため、表示名だけ翻訳すればよいという状況です。
この点で言えば、仕組み的にはWordPressの方が多言語化に適した仕様だと言えます。
結び
WordPressの多言語化は、プラグインで既存機能を拡張して利用する形であり、WordPress本体とテーマには多言語化機能がないという認識です。
「サイトオーナー側が設定した任意の1言語で表示する」ことは基本機能として搭載されているので、「ユーザーが言語を切り替えて表示する」という意味での「多言語化」ではありますが。
Xwriteテーマは「可もなく不可もなく」という印象ですが、その分クセがないとも言えるため、とりあえず選ぶという場合は適しているのかもしれません。
XwriteとXServerのサポート
今回の質問する際にXweite専用の窓口が見当たらず、やむなくXServer自体の問合せフォームを利用しました。
また、今回の回答を得るまでに2週間ほどの待ち時間が必要でした。
今回は回答のために実際に調査された模様なので止むを得ない待ち時間であると言えなくもありませんが、2週間は長いなという印象です。
XServerは当サイトでも使用しておりサポートの対応に不満を感じたことはないものの、Xwriteに関しては期待値を下げておいた方が良いかもしれません。
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