最近は以前ほど目にしないのですが、「デザインが良いだけのサイトは要らん」だったり、「デザイナーの自己満足」のような趣旨でWebデザインの質を揶揄されることもあったかと思います。
特に売り上げなどに直接的に結びつきやすいSEO(さらにいえば上位表示)の視点では、「デザインなんか必要ない」ぐらいの勢いの方も見受けられました。
これらの言葉で表現したい本質は分かるのですが、それでも視点が狭いかなと思う次第でして、この記事を書いています。
もっとも、冒頭で書いたように既にこのテーマはあまり書く意味がないような気もしていまして、機を逸したなとも思っています…。ので、今回はさらっと短い記事です。
キレイなだけのデザインはだめなのか?
他の方との合意がとれている結論ではないのですが、
キレイなだけのデザインでも良い
と考えています。ただし、相当にハイレベルなものであれば、という条件付きではありますが。
なお、これは装飾的なWebデザインの視点だけではなくSEOの上位表示を目的とする視点からもいえることです。
Webデザインと上位表示
SEOに限定しないで考えるならば、コンテンツという括りはあらゆるものを包含します。その価値判断も様々で、物差しは人と対象の数だけあるものです。
ではSEO、特にみんな大好き上位表示の視点でコンテンツをとらえた場合、そのコンテンツとデザインの関係にはどのような可能性があるのか?
幸いにも現在ではSEOを考える際に、「コンテンツが重要」という事柄をよく目にしているかと思います。デザインをこの文脈でとらえるには良いタイミングなのかもしれませんね。
上位表示的な良いコンテンツ
個人的に把握している範囲では、上位表示における「良いコンテンツ」というこの言葉にはいくつか異なる意味合いが含まれていると考えていますが、特に上位表示という部分に関しては、被リンクの獲得が大きな割合を占めるはずです。
極端にいえば、上位表示的な意味での「良いコンテンツ」とされているのは
「被リンクを獲得できるコンテンツであること」
なのでしょう。高品質のコンテンツという言葉にしても、リンクを得られるか否かという点での「品質」の差であるともいえます。
例えば、「利便性の高いまとめ」「人に話したくなるネタ」「流行にのった物事」などを扱えば質が良いコンテンツとなるかもしれません。あるいは、何らかの手段で「人気があるように錯覚させた」状態にできても良いでしょう。
結果としてユーザーにリンクを付けてもらえるコンテンツであれば、手段は問わないともいえます。
デザインの価値の一面
上記をふまえまして。
「相当にハイレベルなキレイさを持つWebサイト」はリンクの獲得の役には立たないでしょうか?個人的には役に立たないとは思えません。例えば、以下のような状況が考えらます。
- 日本や海外のショーケースに登録される
- デザインに関する特定のテーマで引き合いに出される
- 誰かが「デザインが好きだ」とシェアをする
Webデザインに限りませんが、視覚的なインパクトは非常に強いものです。旧来のSEOのように検索エンジンのアルゴリズムだけを見ていては得られない、リンク獲得の可能性を感じませんか?
視点を上げれば、見た目のWebデザインはコンテンツの一部であり、同時にコンテンツもWebデザインの一部だととらえることができます。サイトの構成要素という意味では同じですし。そう考えば、見た目のキレイさを追求することに違和感はないはずです。
視覚的な部分を突き詰めること
Webデザイナーとして、視覚的なWebデザインのキレイさを突き詰めることは無駄ではないと思っています。むしろ、そうして高みに登ることができたのであれば、非常に強力な武器を得たことになるのですから。
ただ、実際のところ相当に険しい道であることも事実です。Webデザインに関わらず、名が売れる人は一握りで、実力も兼ね備えた人は更に絞られるのが現実でしょうから。
しかしながら成果を出せる制作物を作り上げるためには、結局のところ努力を重ねる必要があります。キレイなデザインを作るため以外でも、困難であることに違いはありません。個別にはや目指す方向や高さに違いがありますが、デザインの「キレイさ」を求める道だけを不必要に恐れなくともよいとも考えられます。
結び
見た目の良さというものは、他の欠点を補うことが往々にしてあり得ます。
皆さんがお持ちの「お気に入りの1品」の中には、「デザインが好き」という理由で持ち続けているものはありませんか?あるのでしたらお分かりいただけると思います。
結局の所、人に対してなにかしらの影響を意図する以上は、感情の部分が無視できません。デザインが感情を動かせる要因でもあるならば、それは価値であり武器です。
蛇足
「キレイなWebデザインを作りたい」という理想は間違っているでしょうか?私は、この記事のようにそうは思っていません。
それこそ、「デザイナーの自己満足」と言われて言い返せないような仕事ぶりでなければ、「キレイなWebデザイン」という理想を曲げずに持ち続けても良いと思います。
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