最近のブログの書き出しは大抵こんな感じになってしまうのですが…気になっていたので記事にしてみます。
とはいえ、英語が得意でない私には元情報を確認して正解を導きだすことができません。しかしながら、順当に考えますとこの記事で書いていることでそれほど間違いはないという自信はある程度あります。ので、こうして記事にする次第です。
[2013.6.12 記事最下部に追記あり]
[2013.6.13 記事最下部に追記あり]
売り文句「WordPressはSEOに効果的」
時々目にしますが、「WordPressはSEOに効果的」という売り文句。あまり好きではありません。とはいえ好き嫌いの話をしても仕方がないので、具体的な理由を考えていきます。
この売り文句が出てくる時には多くの場合、下記の言葉が出てくるのでてきます。
WordPress is a great choice
WordPress takes care of 80-90% of (the mechanics of) Serch Engine Optimization (SEO)
これは、2009年開催の「WordCamp 2009 San Francisco」においてGoogleのMatt Cutts氏がプレゼンで用いたスライドで示されていた言葉だそうです。(このスライドの詳細は海外SEO情報ブログさんの記事[別窓]をご覧いただいたほうが良いでしょう。)
さて、ここで重要なのは。
WordPressが「なぜSEOにとって良い選択」なのかという点と、ここで言われているSEOの中身です。これに対する説明なしに、このMatt Cutts氏の言葉や名前だけを持ち出して「WordPressはSEOに効果的」というのは中身も根拠もないのと一緒です。
きつい書き方をすれば「SEOを考えようとしていない」とさえいえるかもしれません。
「WordPressはSEOに効果的」なのか
個人的には「絶対的」に「WordPressはSEOに効果的」とは思いません。
他が効果的ではないので「相対的」に「WordPressはSEOに効果的」であるという理解です。
私見ですが、WordPressはその構造上、検索エンジンが好む仕組みになっているのでしょう。この場合の「検索エンジンが好む仕組み」というのは、内部リンクの構造(記事同士がタグやカテゴリーなどで最初からリンクされている等)やタイトルの設定(タイトルの設定忘れがない)など、ごく基本的なことが最初から整う仕組みだと思います。
加えて、METAタグのkyewordsやdescription、リダイレクトやsitemapの生成などが簡易に行えるプラグインの存在もあるでしょう。
これらは通常サイト制作では気にされるべきものですが、万全にするにはそれなりの手間がかかります。また、HTMLを直接触れない方であればMETAタグを変更するだけでも一苦労でしょう。
WordPressはこれらを手軽にできる点において秀でています。しかし、それだけだともいえます。HTMLに直接手を入れて、基本的な構造をしっかりと構築できれば、WordPressにSEO的な優位性はどこにあるのでしょうか?
GoogleのいうSEO
前述の言葉を語ったMatt Cutts氏はGoogleの方です。そのGoogleがSEOをどのようなものと位置づけているかを考えることで、WordPressがどのような意味で効果的なのかが想像できます。
「SEOとはこうだ!」を書くと人それぞれ違いがでますので、最もわかりやすいのは「GoogleがSEOではないと考えている事柄」から考えることでしょう。例えば次のようなものです。
- 中身のないサイトを上位に表示することがSEOではない
WordPessはサイト構築のための仕組みであり、サイトの中身に善し悪しに関係などしません。そして、Googleは検索結果をより高い精度に作り上げることを目的としています。
では、WordPressが中身に関係なく上位表示させることをGoogleが推奨するでしょうか?
…しませんよね。WordPressを使うことで上位表示できてしまえば検索結果が乱れます。
現在ではどうなのか?
Matt Cutts氏のあの言葉が2009年であることも重要です。
現在ではサイト構築時にSEOを織り込むことが一般的ですし、内部対策で差を出すのが難しいとさえいわれるほど多くのサイトが整っています。2009年当時から比べれば、おそらく全体のSEOの基本レベルがあがっていることでしょう。
前述しましたが、2009年当時に他と比べてWordPressが優位であったならば、現在はどうなのか?少なくとも、以前ほどの優位性がない可能性は十分に考えられます。この辺りの時間軸を意識した考えもなしに「WordPressはSEOに効果的だとMatt Cuttsがいっていた」という売り文句を並べることは、果たして間違いのないことなのでしょうか?
WordPressに変えて効果がでたら
もしも、サイトのリニューアルなどでWordPressを使ってSEO的な効果を実感できた場合。おそらくリニューアル前のサイトに問題のあった可能性が高いはずです。WordPressの効果ともいえますが…。
私なら、マイナスが消えたという状態にすぎないと思い、何らかのプラスが生まれた訳ではないと考えます。前のサイトが穴だらけだったのでしょう。または、サイトの正常な評価を妨げるような機能不全を起こしていたのかもしれません。
いずれにせよ、
Googleが考える正常なサイトになったという程度の話
だと思います。
結び
WordPressがSEOに効果があると謳うなら、それ相応の根拠を示してもらうのが筋かと思うのですが。誰それが何々といったというだけでは足りないでしょう。それを勧めるあなた自身が根拠を示さねばならないはずです。
状況により一概にはいえないのですが…。もちろん、信頼できる権威ある人の意見は重要です。ですが、物事の判断においては参考程度にとどめるべきだと思います。少なくとも、発言者の権威を借りて正当性の主張するのは避けるべきでしょう。
蛇足
他人のことは言えないので、ここからは自戒を込めざるをえないのですが…。
誰かが何かを「良い」といった場合、その良さを理解しないで「これはいいものだ!」と思い込むのは問題です。「良い」理由を把握しなければ何が良いなんてわかりませんから。
もちろん、「良い」といった誰かがそう感じた理由を、全く同じように理解できるとは思いません。ですから重要なのは、自分で考えて良いと思える理由を見つけることです。その理由が他の誰かと違っても問題はありません。
問題なのは、理由もわからないのに都合の良い部分だけを見て、わかったつもりになることです。わからないなら「良さがわからない」でよいのでは?
追記
[2013.6.12追記]
Twitterにて以下のような情報を拝見しましたの引用させていただきます。
動画上がってるから、見たら早い話。 – Matt Cutts: Straight from Google – SEO, What You Need to Know wp.me/pllYY-DE via @wordpressdotcom
— Takuro Hishikawaさん (@HissyNC) 2013年6月12日
はっきり言ってるじゃん、 “how crawlable website” ってね。
— Takuro Hishikawaさん (@HissyNC) 2013年6月12日
リンクで参照いただいた動画( Matt Cutts: Straight from Google – SEO, What You Need to Know[別窓] )の3:47あたりのところで述べられていますね。
単語さえ分ければ私でも聞き取れました。@HissyNCさんに感謝です。
[2013.6.13 追記]
Twitterにて@pacificusさんの以下のツイートを拝見しましたので引用させていただきます。
【備忘録】「3:30 ワードプレスが自動的に8割~9割のSEOの課題を解決しているよね~!WPはファンタスティックソフトだよね。3;47 WPどんだけクロール出来るんだ!⇒クロールし易いよね~的な話じゃないすか?流れ的に」byとく webutubutu.com/webdesign/1799
— パシ@竹内潤平さん (@pacificus) 2013年6月12日
正確には海外SEOなどが専門の「世界へボカン[別窓]」の@yukimeru0305さんが意訳されたそうですが、せっかくなので記事に引用させていただきました。
なお、1つ前の追記でお世話になりました@HissyNCさんとお話ししていたのですが、どうもリップサービスっぽい雰囲気がある部分も感じていまして…。余計にこの言葉を根拠に売り込むのはどうだろうと思う次第です。
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