Webサイトに商材を載せる場合、いつまでも同じということはあまり多くありません。新商品や新サービスを開発しなければ売り上げの維持が難しい場合もあるからです。
継続的に売り続ける定番商品であれば、多少のマイナーチェンジで紹介ページを削除したりしないでしょう。
しかし、次々に生産開始と中止を繰り替えすような商品の場合は、該当のページの扱い方を決めておく必要はあります。
この記事では、今までに聞いた話や個人的な意見を入れつつ書いてみたいと思います。
お店の立場
食品を扱う業種のお客様と多少は長めのお付き合いがありまして、そこでこの問題にぶつかったことがあります。
その際に、「古い商品を掲載したページ」あるいは「以前のサービスの情報」をどうしたいか、というご希望はどこのお店もほとんど同じでした。そのご希望とは、
「古い情報は削除してほしい」
です。基本的には現状で売っている商品以外は載せたくないとのことでした。この理由としましては、
「古い商品があると鮮度感が落ちる」
ということでした。
Webサイトだと分かりにくいかもしれませんが、例えば店頭販売のスペースや商品カタログなどを思い浮かべていただけると分かりやすいかと思います。現在売っていないものは並べないでしょう。
カタログの場合ですと、例えば販売予定の商品を注文を取るために掲載することもありますが、売り終えた商品がのることはまずありません。
お店側の認識と意見は、このあたりの店舗運営上の常識的な判断の結果だと思います。
Webサイトの立場
Webサイトの立場といいますか、より具体的に言えばWebサイトの制作や運営サポート的な側の立場ということになり、この記事では私個人の認識に基づきますが。
古い情報は掲載しておいた方がよいのではと考えています。そのままにしておくのではなくて、アーカイブ的なカテゴリーに再配置して通常商品のラインナップからは外すべきだとは思います。
動きを出すために売り切れを利用することもあるでしょうが、そういった意図も無く売り切れ商品を棚の同じ場所に並べ続けることはさすがに問題があるでしょうから。
過去の記録
「現在売っているものが重要」というのはもちろんなのですが、「過去に何を売っていたのか」という情報はお店としての厚みを与えるのではと考えています。
ジャンルや状況にもよりますが、どこにでもあるお店よりも専門店のほうが好まれる傾向はあるかと思います。そして、同ジャンルの専門店でもそれなりの好みや意図によって選び分けることでしょう。
この場合、ユーザーが判断する材料として「このお店は過去に何を作っていたのか」という情報は、お店の腕などを具体的に示せるのではないでしょうか。
「創業100年の老舗」とだけ書くのと、その100年の間に売っていた商品の変遷をすべて載せることとの違いと同様かと思います。
再販売の要望を得る
過去の商品を復刻して発売するという手法は一般的かと思います。通常は店側が判断するのでしょうが、過去の商品を載せていればユーザーから何らかの反応がある可能性もあり、それが復刻のきっかけになるかもしれません。
ユーザーの声が聞こえてくるのは現実的に難しいとは思いますが、アクセス解析による数値を参考にする方法であれば、それなりに現実的な効用があるかと思います。
実際の判断
実際にどうするべきかというのは難しいところなのですが、個人的には、ご提案して受け入れられない場合は食い下がる必要はないと思っています。お店としての判断なのですから、サイトの視点からの都合だけで押し込む話でもありません。
ちなみに、納得された方もいらっしゃいましたし、納得されない方ももちろんいらっしゃいました。結局のところこんなものなのでしょう。
自分の視点を固定して提案することは有効だと思いますが、説得などというレベルになるとあまりよいとは思えません。説得、つまり実行を迫るに足る根拠や勝算が無いのであればなおさらです。「業界的には」「他もやっている」などの言葉しかないのはいただけません。結果として、
「残すか消すかを判断するための材料をご提供できれば十分」
というあたりが落としどころだと考えています。相手にとっても自分にとっても。
結び
結論的な事柄は特にないのですが、1つ余談を。
Bloggerのほうで書いたことがありますが、楽天においては商品ID(URL)は重要です。レビューがたまりますので。この場合は古い情報をどんどん上書きしていく方が、レビューがたまりやすくいろいろと旨味がでるでしょう。
とはいえ、例えば月一で内容が書き変わる場合などですと、一月前の商品に対するレビューが今の商品の場所にそのままくっついることになり、「本当にこのままで良いのか」という疑問はあります。
ですが、結局のところ売り上げに貢献しているのあればあまり迷うことは無いでしょう。
なぜなら、商売目的のサイトの情報は「ユーザーのため」である以前に「そのサイトのため」のものだと思うからです。そのサイトで商品をどのようにアピールするかという視点がまずあり、それをユーザーの利便性や欲求などと合わせて考えるのが自然かと。
だからといって利益を追求するためにユーザーをないがしろにしてもいいということでないので、お間違えのないように。
このあたりはWebに関わらず他の商売の様子をご覧になれば、イロイロな事例が転がっていると思いますので今更な話ではありますが。
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