Fireworksで光沢のある布の表現を簡単に作る

Fireworksのデフォルトの機能だけで簡単に光沢のある布を作る方法をご紹介します。

テクニック的にはかなりオーソドックスな部類にはいると思いますので、ご存知の方も多いかと思います。いわばFireworksの初心者向き記事かもしれません。

しかしながら、突き詰めて行くといろいろな表現に応用ができる点がありますので、初心者以外の方にもそれなりに重要かと思います。

Fireworksで光沢のある布の質感を作る

うんちくは後回しにして、先に作ってしまいます。

土台作り

単色の色面
単色の色面

まず、Fireworksの長方形ツールで長方形を作ります。

これは質感を与える対象の土台となりますので、実際の形は何でも構いません。作りたいものがある方はお好きな形で色面を作成して下さい。

色もお好みで良いですが、彩度が高くなった時に色が認識できるものを選ぶのが無難です。たとえば黄色の場合は彩度が上がると白に近くなりすぎて、白地の背景では認識し辛くなります。

基本のグラデーション

グラデーションの「サテン」を適用
グラデーションの「サテン」を適用

「光沢のある布」ということで、今回はサテン生地を想定します。そこで、グラデーションで「サテン」を選びます。

他のグラデーション、例えば「波紋」「波動」「しわ」などでも似たことができます。それぞれに特徴がありますから、「作りたい光沢」を念頭においてグラデーションの種類を選択してください。

この状態でグラデーション設定用のハンドルを動かしつつ、もとめる光沢が表現できるところを探してください。

なお、「光沢」と書いてはいますが、その本質は「凹凸の表現」です。光沢は凹凸の結果にすぎません。ですから、常に頭の中に「シワのある布」を思い浮かべ、それを頼りに調整する必要があります。

グラデーションを調整して完成

ハンドルを調整
ハンドルを調整

調整が完了すれば、光沢のある布が完成です。グラデーションツールを使用するだけですから簡単かと思います。

肝のハンドルの操作はいろいろ試して、形にあったところを見つけてください。前述でご説明した「シワのある布」が具体的であればあるほど、落ち着くポイントが見つかりやすいはずです。

ハンドルの調整には多少慣れが必要ですが、コツとしては角度と長さだけではなく位置を調整します。角度と長さだけでうまくいくことはまずありませんので、位置を変えつつ組み合わせを試してください。

実際に使う場合

上記のような長方形に光沢があるだけの状態では使いどころがあまりないうえに、布っぽさを出し辛い問題もあります。そこで、1つ具体例を作成してみます。

方向性としては、現実にある「光沢のある布を用いた何か」を作ることが近道です。質感だけではあまりよくわからないものでも、現実に存在する形を与えることで一気に認知させることが可能です。

今回は、光沢のあるサテンの生地で思い浮かびやすいリボンで考えてみます。あまり形を複雑にしても大変なので、よく見かけるであろう「上から垂れるリボン」を作ることにします。

現実感の構築と具体例

サテンのリボンの付いたメッセージカード
サテンのリボンの付いたメッセージカード

グラデーションの色を少し調整していますが、やっていることは長方形の時と同じです。

違いと言えば、リボンの形に変える部分以外は「影を付ける」「カードを作る」という周辺の作り込みです。

質感をだしたために生まれた現実感(立体感など)は、他との対比によっては違和感を生みやすく、この違和感は本来プラスになり得ます。しかし、質感と形だけでは現実感が薄く、マイナスの効果になる可能性もありますから周囲を作り込むことで補強する必要があります。

特に影は重要で、3次元的な表現を2次元で行う際には必須と言えるかもしれません。

このあたりはバランスの問題もさることながら、実際に目の前にあった場合に「違和感を感じないか」という感覚的な部分を満たすことが重要です。テクニック通りにやっても足りない場合は多々ありますから、自分の(といいますか閲覧者の)感覚を頼りに調整することも必要になるはずです。

現実感のある素材を作る方法

現実感のある素材を作る方法として、テクニック的なことは数多くあるでしょう。あるテクニックを使えば「らしきもの」は比較的簡単に作成できます。しかし、それは表面をなでるような浅い表現になりやすいリクスを孕んでいます。

もっといえば、テクニックと現実感があっていない、という感じです。金属の光沢はあるのに金属に見えないような状態です。

こういった問題に出会うとき、おそらくその方には実物に対する理解が不足していることが多いのではないかと思います。

対象への理解

作成している素材に対する理解を得るためには、

その対象を観察すること

が重要です。実際に見て、目を閉じても頭の中で再現できるレベルが臨ましいでしょう。そのためには触るなどして五感で感じる必要もあります。

体を通した経験により再現したい現実感が具体的になり、素材作成の際の強い指針となるはずです。

すべてに対してこういったことをする必要があるわけではありませんが、現実感がだせない場合の対策としては素直な方法だと思います。

結び

加工方法について書くだけのつもりが、すこしふくらみすぎたかもしれません。

大層に書いてありますが、デザイナーならとくに珍しい内容ではありません。光沢のある布も、画像加工ソフトを持てば誰もが高確率で一度は作っているものでしょう。

とはいえ、基本的なことだからこそ見落としやすい部分もあるのではないかと思います。画像加工ソフトを使えば大抵のものは表現できますが、それは「できてしまう」のであって、ソフトに使われいているだけなのかもしれません。

もしも表現に行き詰まってしまったら、打開策の1つとして足りないものを手に入れるという行動をおこしてみてはいかがでしょうか。

追記

同様にFireworksでの素材の作り方を以前記事にしていますので、ご紹介します。

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