ユーザーの期待とファーストビューとボリュームの提示

アクセス時にサイトに期待されているもの
アクセス時にサイトに期待されているもの

JvaScriptを使って記事本文のボリュームを画面数で表示する」という記事で考えていた、ユーザーの期待とwebサイトのファーストビューに関する内容です。

根拠に乏しいため、仮説の一つという程度に考えてもらえればと思います。

ページにアクセスした時点でのユーザーの期待

ページの訪れる経路は様々ですが、多くの場合、ページタイトルを見て判断してからのアクセスとなるはずです。

つまり、タイトルを見た時点でユーザーはそれぞれにある種の期待をいただいているはずです。

分かりやすくするために以下のような具体例を考えます。

  • 美味しいと評判のお店についての情報を知りたい

上記の期待は、さらに詳細な期待へと細分化されている場合があります。

  1. お店の場所や営業時間などの基本的な情報が知りたい
  2. お店のメニューの特徴について詳細な文章が読みたい
  3. お店のメニューの特徴についてよくわかる写真が見たい

上記の1から3を想定する場合、サイトの構成要素として期待されているものも自然と決まってくると思います。

ユーザの期待値とアクセス時点でファーストビューから得られる情報

前項のような期待を抱いてアクセスすると、ファーストビューで目に入る情報から期待が満たされそうかどうかの判断が素早く行われると考えられます。

一般的にはファーストビューに存在する可能性の高い、以下のような情報が判断に影響を与えるでしょう。

  • デザイン
  • アイキャッチ
  • タイトル
  • 日付やカテゴリー名

デザインやアイキャッチ画像は特に強い影響力がありますが、ユーザーそれぞれが思い浮かべるイメージ次第で大きく評価が変わります。

例えば以下のようなものが考えられます。

  • イタリアンのお店には、イタリアの国旗のトリコロールがどこかにあって美味しそうなパスタの写真があるはず
  • ザッハトルテが美味しいお店なら、チョコレートを連想させるデザインでザッハトルテの写真があるはず
  • 割烹なら、落ち着いた雰囲気で日本的な店や料理の写真があるはず

上記は単なる例にすぎませんが、重要なのは各自がそれぞれに持っているイメージに合致しているかどうかです。
期待を完全に裏切っているにもかかわらず強い魅力を感じるという場合もあるため、一概には言えませんが。

いずれにせよアクセス時のユーザーの期待に応えるには、こういった期待された要素がファーストビューに存在するか、もっと言えば目に入って意識されるかどうか次第になるでしょう。

あまり意識されない期待

ここで、冒頭に述べました「記事本文のボリュームを画面数で表示する」という部分に戻ります。

アイキャッチやデザインほどのインパクトもなく、ユーザーも意識的に期待していることは稀かもしれませんが、アクセス時点で無意識に抱く期待の中にはコンテンツのボリュームも含まれていると考えられます。

前出の1から3で考えると、以下のようになるでしょう。

期待する内容 期待される内容のボリューム
1 お店の基本的な情報が知りたい 少ない
2 メニューついて詳細な文章が読みたい 多い
3 メニューの写真が見たい 多い

例えば、ユーザーが2の期待をもってアクセスしたのに、本文のボリュームがテキスト100文字程度であればどうでしょう?

恐らく満足はしないはずです。

このように本文のボリューム自体に対する期待も存在すると考えた場合、ボリュームに関する情報をファーストビューで提示する意義はあるように思います。

期待と支払うコスト

仮に本文にボリュームを求めていたとしても、多ければ多いほど良いよい、というわけではありません。

スマホのような小さい画面では、ボリュームがあればあるほどスワイプしてスクロールさせる必要があり、単純に言えば指が疲れます。

また、スマホは移動の合間に使われる場合も多く、ボリュームがありすぎると気軽に読めないかもしれません。

どの程度のボリュームが許容できるかは一概にはいえず、ユーザー個々人の判断どころか、時間や場所などの環境に影響されるような不安定な判断となるでしょう。

しかしながら、以下の3点を秤にかける可能性はかなり高いはずです。

  • 期待したボリューム
  • 実際のボリューム
  • 閲覧で支払うコスト(疲労や時間など)

これらをアクセスした時点で判断可能にするためには、やはりファーストビューにボリュームを記載する必然性が生まれると思います。

「続きを読む」と要約表示の違い

ニュース系のサイトに多いですが、アクセス時に以下の状態となっている場合があります。

  1. 本文数行を表示し、それ以降は「続きを読む」などのボタンを押さないとよめない
  2. 本文の要約を短文で表示し、通常の記事を読みたい場合はボタンを押す

あくまで観測している小さな範囲に過ぎませんが、1は新聞社などで多い印象であり、評判はあまり良いとはいえません。

対して、2はライブドアニュースなどが挙げられますが、悪い評判はあまり見受けられません。

ここまでで検討したユーザーの期待から考えた場合、1と2に反応が違う理由はかなり明確にできるでしょう。

どのような期待にどれだけ応えるか

要約表示は期待を満たす場合と満たさない場合がありますが、満たさない場合でも「続きを読む」に比べれば小さな不満しか発生しないと思われます。

なぜなら、タイトルを見て具体的な内容を知りたいと思ってアクセスした場合、以下のような状況になるためです。

期待内容 提示内容 把握内容
1 本文 冒頭◯文字分 ほとんどわからない
2 本文 要約3行 要旨はわかる

上記を踏まえると、以下のように言えます。

  • 「続きを読む」と要約表示は本質が違う
  • 「続きを読む」が期待を満たす可能性は低い
  • 要約表示が期待を満たす可能性は、「続きを読む」に比べて高い

つまり、冒頭数十文字と要約は文字数のボリューム的に近いものであるにもかかわらず、ユーザーが抱く反応に違いがでることは十分に考えられます。

ボリュームそれ自体が期待に応えることもありますし、ボリュームがどうであれ期待に応えられないこともあり、全ての場合に通用する判断はできないことは確かでしょう。

しかしユーザーの期待から考えることができれば、サイト側が用意する内容や状態や見せ方が絞れる可能性が高まります。

結び

長々と書いて本文ボリュームの提示の意義を検討してみました。

しかしながら、やはりデザインやアイキャッチほどの必要性がないように思いますし、他の要素に埋もれて見過ごされる程度のもだとも考えています。

意義から考えれば掲載に対するメリットは挙げられるのですが、他要素に比べて相対的な効果が小さいと言わざるを得ず、結果としてボリュームを表示することはあまりおすすめできません。

とはいえ小さいながらメリットも確かに存在しますので、ここを活かせそうなら、独自性を強める意味でもユーザーの利益になるという意味でも、ボリューム表示を行うのもよいかと思います。

ありがちな結論ですが、サイトごとに要不要を判断することをおすすめします。

アンケート結果

この記事の公開告知時に以下のようなアンケートを行い、結果がでました。

「他人も自分も参考にしない」というのが8割ぐらいではないかと考えていたのですが、思ったよりも参考にする割合が高めであり、以下のように考えられます。

  • ボリューム表示は積極的に排除する必要は無い
  • 表示していれば参考にされる場合がある

2割いれば表示続行程度に考えていましたので、今後もボリューム表示を続けてみようと思います。

なお、アンケートにご協力いただいた皆様、誠にありがとうござました!

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