ローカルナビゲーションのポイントと研究データ紹介

ローカルナビゲーションのポイント
ローカルナビゲーションのポイント

ローカルナビゲーションに関する事を少々。

サイトを利用する際にナビゲーションは非常に重要です、いろいろと実験なども行われています。イメージとしては、大規模サイトでのABテストや被験者を呼んでのユーザビリティテストでデータが収集されている感じです。
なぜならアクセス数の少ないサイトでは有効な数のデータが集まりませんし、アクセスの少ないサイトは大企業ではない場合が多くテストをしようにも予算がありません。

最善は自前でテストをする事ですが、先行事例に知見を得られれば改善の可能性がえられます。

今回は、ローカルナビゲーションについて実験事例の結果も紹介しつつ考えてみます。

ナビゲーションの種類

まずはナビゲーションの種類を簡単に説明してみます。

一般的に、ナビゲーションの分類と言うのはその設置する意図と対象とする構造によっていると思います。
ナビゲーションであれば当然リンク先があり、そのリンク先が何かと言う事も重要ですね。

以下に簡単な分類をしてみます。

グローバルナビゲーション
構造の大枠に対するナビゲーションです。 例えば、「商品について」「会社について」のような大きな枠組みです。 表示位置は上部等が多いですが、特定の状況を除きどのページにも同じ位置に表示されています。
ローカルナビゲーション
グローバルナビゲーションで区分されたリンク先で、さらに細かく分かれるナビゲーションです。 例えば、「商品Aについて」「特定商取引に関する注記」のようなその分類の詳細な項目です。 表示位置は左か右のサイドが多く、大枠の分類が変われば内容も変わります。
機能ナビゲーション
サイトの各機能へのナビゲーションです。どの部分からも独立しています。 例えば、「お問い合わせ」「サイトマップ」のような機能面へのリンクです。 表示位置は最上部か最下部が多いようです。※機能ナビゲーションは正式名称ではなく、私の個人的な区分です。
関連ナビゲーション
あるページに関連した情報へのナビゲーションです。 例えば、「関連商品」「商品の利用法」のような関連性の点からのナビゲーションです。 表示位置は文脈の流れによりますが、主にコンテンツ本文の最後になる事が多いです。文中からテキストリンクで関連ページに飛ばす形ももちろんあります。

ローカルナビゲーションとは?

ナビゲーションの種類を並べた上で、改めてローカルナビゲーションの話を。

ローカルナビゲーションは、グローバルナビゲーションよりも具体的なナビゲーションです。
項目は抽象的でなく具象的であり、閲覧者にとってもサイト運営者にとっても重要です。

なぜなら、もしも商品説明のページのローカルナビゲーションに同種の分類へのリンクや買い物方法等が無ければどうなるでしょう?
よほどのファンでない限りは、わかりづらいと感じ他のサイトに移動してしまうはずです。

かといって、必要以上に項目を並べる事もマイナス要素です。
これもあれもでは一貫性も何も無く、項目が少ない場合と同様に閲覧者を迷わせます。

ローカルナビゲーションの役割は、閲覧者に具体的な行動をサポートする事にあります。

必要な情報を、必要な時に提示する。
そして閲覧者はナビゲーションの存在を意識せずにページを移動するのです。

ローカルナビゲーションの最適な構造に関する研究データ

ローカルナビゲーションの変化は良い効果をもたらす
ローカルナビゲーションの変化は良い効果をもたらす

オライリーの『デザイニング・ウェブナビゲーション ―最適なユーザーエクスペリエンスの設計』という書籍による、あるデータがあります。
それは、どのページでも同じローカルナビゲーションを、同じように表示する事を閲覧者は視覚的に好まない。というものです。

簡単にいえば、ナビゲーションの項目や見せ方に変化がある方が、閲覧者は情報の把握が早く迷う事が少ないということです。

具体的には、そのページの情報の内容により通常であれば同じローカルナビゲーションを表示するところを、項目を減らしたり追加したりして変化をだすします。
項目も構造も一貫しているのがナビゲーションだと言うのは、作る側の錯覚でもあるのです。
もちろん、一貫すべき場合が無い訳ではありませんが、それはグローバルナビゲーションぐらいです。
機能ナビゲーションにしろ、変化をつける方が目を引き、必要な役割を果たすはずです。

ナビゲーションに変化をつける際に気を付けなければならない事は、変化をつけすぎない事です。
あくまで必要な情報を絞り込み、提示する。
加えて、不確かで確信の無い項目も同様です。
要るか要らないかがわからないから付けておこうという項目は、得てして不要でしかありません。
このスタンスを忘れてはいけません。

閲覧者が予測できない変化は、邪魔でしかありません。
閲覧者が予測可能であり、予測しやすい変化をつける。
変化という要因は、全く動きの無いナビゲーションに比べると思った以上に有効です。

他にも、関連ナビゲーションとの兼ね合いも大事です。
全体を見て、項目を選択する事が大切です。

結び

ローカルナビゲーションに限りませんが、ナビゲーションは機械的に量産する事も可能です。例えば、ブログにおけるカテゴリーや新着情報などをデフォルトの形として使い回す感じでしょうか。

企業サイトなどブログ形式にあてはまらない場合はラベルの表現だけではなく、構造自体を柔軟に考えた方が良いといえます。ユーザーの期待を裏切らな程度の幅で変化を付ければより有効なナビゲーションが出来上がることでしょう。

なお、今回少し触れた書籍『デザイニング・ウェブナビゲーション』にはもっと多くの事例やデータが紹介されています。ナビゲーションについて学びたい方は一読をお勧めします。

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