WEB/SEO関連資料紹介_3

WEB/SEO関連資料紹介
WEB/SEO関連資料紹介

久々の文献紹介です。主に、NII(国立情報学研究所)で検索して見つけた論文を取捨選択して公開しています。

できるだけ本文が読める資料とはおもっていますが、新しい論文であればある程公開はされず、古ければ古い程電子化はされていないのが実情です。

とはいえ本文を公開している論文はそれなりに見つける事も出来ますし、論文を広めると言う点に置いてもなるべく発掘したい所です。

前提

主にGeNiiで検索した内容を記事にしています。

凡例

以下に凡例を記載します。

  • 本文を読める文献は【本文】と記載
  • 本文データ無しや会員のみ閲覧可能は【抄録】と記載
  • 本文も抄録もなしは【書誌事項のみ】と記載

文献一覧

[Title] Gmailが大学メールサーバへ与える負荷状況の分析
[Authors] 笠原 義晃/伊東 栄典/堀 良彰/藤村 直美
[Bibliographic] 情報処理学会研究報告. IOT, [インターネットと運用技術] 2012-IOT-19(5), 1-6, 2012-09-20
[Readable] 【抄録】

「詳細な分析の結果, Google 社の Gmail から本学のメールサーバへ持続的なアクセスがあり,中でも既に卒業などで消滅したアカウントへのアクセスが多数あることが分かった」と抄録に書かれています。

Gmailは広く利用されていますが、こういった観点から話題に上るとは思いませんでした。本文が読めないため流れや結論が分かりませんが、こうして調べなければならない程のアクセスがあったのでしょう。この記事は九州大学でのことに書かれていますが、気づいていないだけで他の大学や会社のサーバーにも影響があるのかもしれませんね。


[Title] いま聞きたい : この人の言葉(14)Google Small & Medium Businessマーケティング統括部長 伊佐裕也 誰もが手軽に自社サイトをつくれるように : 「みんビズ」でできる中小企業のウェブサイト
[Authors] 伊佐 裕也/野田 万起子
[Bibliographic] Business summit = 月刊ビジネスサミット : がんばろうニッポンの中小企業 27(3), 42-45, 2012-09
[Readable] 【書誌事項のみ】

抄録もないので中身はわかりませんが、なんだか懐かしい名前を目にしました。個人的にはここ最近ほとんど名前を見ないみんビズさんですが、中小企業をターゲットにしっかりとアピールを行っていたのですね。実際の、その辺りが当初からのターゲットであったはずなので、初志貫徹といったところでしょうか。

まったくの個人的な感覚なのですが、どうにもMicrosoftのOffice Live Small Businessと同種の匂いがして敬遠してしまいます…。まぁ、あそこまで酷くはないとは思いますが、自社サイトの命運を無料サービスに預けるべきか否かは判断のしどころでしょう。段階的な視点を持っているのか、その場しのぎなのかもしっかりと自覚しつつ使用サービスを選びたいものです。


[Title] 深層ウェブの実態とその要因 : 機関リポジトリに登録された文献を用いた調査
[Authors] 宮田 洋輔/安形 輝/池内 淳/石田 栄美/上田 修一
[Bibliographic] 日本図書館情報学会誌 58(2), 97-109, 2012-06-30
[Readable] 【抄録】

「その結果,Google, Yahoo!, Bingの3つの検索エンジンから検索できるウェブは72.0%に過ぎず,28.0%が深層ウェブとなっていることが分かった。1つの検索エンジンでは,最高でもGoogleの53.2%であった。また,PDFファイルとURLの特徴の調査から,動的なURLや長いURLが深層ウェブとなる要因であることが分かった。」と書かれています。

深層WEBとは、クローラが収集できない場所にある情報を指します。どちらかと言えば、保護されていたりで「クロールが許されていない」というイメージもありましたが、この論文の書き方ですと「クロール可能だけれどもできていない」となりそうです。中身が見られないのが悔まれますが、Googleが探れる表層WEBが53.2%という数値を挙げており興味深いところです。また、3つの検索エンジンの合計が72,0%ですから、Googleにはできなくとも他の検索エンジンならクロールできる部分もありそうです。


[Title] 要旨 : 情報サービスがもたらす社会文化の変容についての論考 : Googleサービスが日本文化に及ぼす影響
[Authors] 清水 宗一
[Bibliographic] 龍谷ビジネスレビュー : 龍谷大学大学院経営学研究科紀要 13, 181-182, 2012-06-10
[Readable] 【書誌事項のみ】

中身を見ることができないのでタイトルの言葉から、とはなりますが。情報が社会を変えるというのはわりと身近な事柄ですが、Googleという具体的な言葉が出てくるとドキリとします。

実際、Googleは日常において欠かせないサービスだという方は多いかと思います。例えば、当初メールは自分のPCのメーラーで読み書きして保存する形だったかと思いますが、Gmailで保存まですべてを行う使い方も多いはず。こうなると、メールはPCに属するのではなくてアカウントに属する物理的な制限のない状態になります。遥か昔の手紙という概念が物理的な縛りから解き放たれたのであれば、文化も変わってしかるべきだともいえますね。


[Title] 学科Webサイトの構築 : 実施手段の選択と評価の方法
[Authors] 飼原 壽夫
[Bibliographic] 大阪樟蔭女子大学研究紀要 3, 215-223, 2013-01-31
[Readable] 【本文】

「本稿では、サイト立ち上げに伴う問題解決の視点や手順を、具体例から幾つか紹介した。先ず、現状調査に始まり、ウェブサイト構成の検討、CMSの機能検討、開発ツールの選択、運用体制の検討の必要性を示した。続く制作では、動画ファイルや、PowerPointファイルの取り扱い方、ページ遷移をせずに多くの情報を盛り込む工夫(jQueryの活用)、統合開発環境のソフトで利用できる便利ツール、翻訳サービスによる国際対応と翻訳の改善手段、SEO対策ツール、サイト内検索ボックスに至るまで、一般によく目にする機能の実現に際してヒントとなるように、実施手段の選択時の視点を紹介した。」と抄録に書かれています。

この論文はWEBサイトを作るという流れや概要を把握することができる、優れた内容だと思います。本文が読めますので、読む事をお勧めします。読む場合は論文ページの「CiNii 論文PDF – オープンアクセス」というリンクをクリックしてください。

内容を流し読みしましたが、思った以上に詳細に書かれています。各項目の内容は深くはありませんが、WEBサイトの企画・構築・運用について項目の数は非常に細かくなっていました。オーサリングツールとしてDreamweaverやホームページビルダーの名前もあり、それぞれ特長が書かれていたりもします。また、SEOについてもGoogleのウェブマスターツールを参照したりと、基本を押さえた作りです。


[Title] ウェブ検索クエリログとクリックスルーログを用いた同義語獲得
[Authors] 内海 慶/小町 守
[Bibliographic] 情報処理学会論文誌. データベース 6(1), 16-28, 2013-01-23
[Readable] 【抄録】

「近年のウェブ検索エンジンの多くはクエリ拡張機能やクエリ書き換えを備えている.これらの機能の実現にはシソーラスや同義語辞書を用いるが,人手での辞書作成はコストがかかる.そのため,ウェブ検索ログやクリックスルーログを用いた同義語獲得の研究が行われている.これまでに提案された手法では,生成モデルである Noisy Channel Model によって同義語獲得をモデル化しており,柔軟な素性設計が行えなかったため,クエリと同義語候補の表層の編集距離を素性として追加する等が難しかった.」「そこで提案手法では,クエリと同義語候補の表層に基づく素性を利用した ListNet を用いて 1 位正解率を直接最大化する.」と抄録に書かれています。

シソーラスとは統制語彙集のことで、語句の関係性を考慮し、分類して体系化した辞書を指します。単なる語句を意味ある語句として扱い、かつ利用するためには必要な辞書です。検索エンジンがWEBサイト内の語句を理解しなければ、入力された語句に対する適切な答えが返せません。この意味においては非常に重要な要因である事がお分かりいただけるでしょう。この論文では、さらに高性能なシソーラスの構築が可能となったと書かれているようです。


[Title] Webアクセスログに基づくユーザの革新性推定手法の提案
[Authors] 市川 裕介/岸本 康成/小林 透
[Bibliographic] 情報処理学会研究報告. GN, [グループウェアとネットワークサービス] 2013-GN-86(28), 1-8, 2013-01-09
[Readable] 【抄録】

「ユーザの Web サイトへのアクセスログから,革新的ユーザか否かを推定する手法を提案する.革新的ユーザとは,新製品に興味を持ち自身の考えを持って商品を選択することができるユーザを指し,一般的にイノベータやアーリーアダプタと呼ばれるものである.」と抄録に書かれています。

イノベーターやアーリーアダプターをものすごく乱暴に訳すると、新し物好きになるかと思います。彼らが食いつく事でブームや名が広まる流れができるので、ビジネスを考えると重要な層であると言えます。この論文では、アクセスログからイノベーターやアーリーアダプターを洗い出すことができるとしていますが、これが可能であればいろいろと有益かもしれません。

たとえば、サービス公開からしばらくのログを見てイノベーターやアーリーアダプターが来ているか来ていないかでその後に打つ手を変える事が可能です。また、彼らが食いついたけれども離れてしまったというようなことも分かるはずですので、問題解決の糸口になるかもしれません。

結び

久しぶりの更新だけあって、面白そうな論文がゴロゴロしていました。また近いうちに第4弾を書ければと思います。

今回は、特に「学科Webサイトの構築 : 実施手段の選択と評価の方法」という論文がよかったです。書かれた飼原壽夫氏は統計学や情報システム学、心理学の方のようで、現場のWEB屋に含まれるような方には思えません。そういう方が書いた内容として、地に足の着いた情報のような気がします。

WEBサイトを作ったことがない方が読んでも、ある程度の分かりやすさがあるかと思います。なにより、学校にお勤めの方でサイトの構築を検討されている方には有益なはずです。

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