卵を新鮮に撮れるかテスト撮影。

少し前の写真なのですが、商品撮影のためにテスト撮影した写真を引っ張りだしてきましたので、公開します。が、今回は2枚しかありません。今度のテスト撮影で作例を増やしてからと思ったのですが、直近では余裕がなさそうなのでこの状態で公開してしまうことにしました。

なお、この画像は私が管理する別サイトで使用していますので、見かけても気にしないでくださいませ。

使用機材

以下が今回使用した機材。一言でいえば、モノブロックによる1灯ライティングです。

卵のテスト撮影

細かいデータを記録していませんでしたので、覚えている範囲で記載します。

やはりメインは、卵の黄身の張りです。新鮮な卵の黄味は盛り上がり表面がピンと張っているようなイメージですので、その辺りを強調して撮ることが目的でした。

ちなみに、黄味の色は親鳥が食べた餌でかわるようなので、色が濃いからといっておいしいとは限りません。しかしながら、色が濃いほうがおいしいというイメージもあるため、補正時にやや色味を強調しています。

実物と違いすぎるとダメですが、特に色味による特徴がない場合にはイメージを利用する方法がよいかもしれません。あくまで補助程度に、ですが。

Photo1(モノブロックを使用/ディフューザーをモノブロックの近くに設置)

モノブロック光量:1/2/レフ板:右に設置/ディフューザー:モノブロックと被写体の中間 に設置
モノブロック光量:1/2/レフ板:右に設置/ディフューザー:モノブロックと被写体の中間 に設置

まずは割る前の卵の殻から。

表面がざらついている方が新鮮らしいので、凹凸を表現できればと思いましたが…。凹凸による微妙な色の変化を少しはだせていると思いますが、凹凸の立体感はあまりでていないようです。

今更ですが、モノブロックの照射角度をもっと浅くして横から光が当たるようにした方がよかったかもしれません。

かなり近くによって撮影したので、小さな器なのに手前と奥がボケています。望遠レンズで狙えば圧縮効果によりこのようなことは起り難いのですが、90mmで寄るとこんな感じになってしまいます。

もっとも、卵自体はわりとしっかり輪郭がでているので問題はなさそうです。

Photo2(モノブロックを使用/ディフューザーをモノブロックの近くに設置)

モノブロック光量:1/2/レフ板:右に設置/ディフューザー:モノブロックと被写体の中間 に設置
モノブロック光量:1/2/レフ板:右に設置/ディフューザー:モノブロックと被写体の中間 に設置

殻を割った卵の写真です。

今回は卵の盛り上がりをだすという目的がありましたので、照明は半逆光がベスト。完全な逆光も面白そうですが、やや劇的といいますか妙な意図が感じられそうですので被写体右奥にライトを置いた半逆光としました。

結果として黄味の右前面が影になって色味が濃くなり、黄味上部の明るさとの対比で立体感がでていると思います。また、器の赤が多少映り込んでいるようで、黄味のオレンジをさらに色濃いものにしています。

これが白い器だとこうはなりませんし、黒い器だと色味が濃くなるのではなく暗くなるはずです。

食品の場合は器が非常に重要で、色や材質の選択を誤ると取り返しがつきません。今回の卵であれば色が映り込んでいますし、この部分を皿ごと補正するのは大変ですし、そもそも回避するべき作業です。後で補正する方がよい部分は別にして、撮影時にできる限り状況を追い込む必要があります。

一概には言えないのですが、光沢のある被写体には光沢のない器が適していると思います。理由は簡単で、材質の違いを明確に表せるからです。撮るべきポイントが明確であれば、こういった判断は比較的容易です。

さて、写真の出来映えですが…失敗です。全く使えない訳ではありませんが、白味に白い光が反射しすぎて透明感を消してしまっているからです。照明やカメラの角度をもっと調整して、もっと反射を抑えた状態を作るべきでした。

結び

生卵といえば、鮮度が命。鮮度感を表す写真を撮ることが第一です。

鮮度のよい写真を撮るには、どういった状態が鮮度がよいのかを調べなければなりません。そのため、被写体への理解の度合いが重要になります。ぼんやりと撮影しているようでは一向に進歩できませんから、まずは知ることです。

そのうえで、一般的に鮮度がよいと思われている状態を演出する必要もあります。特に食品においては色鮮やかに撮るとおいしく見える傾向がありますので。嘘はいけませんが、多少の強調は必要といったところでしょうか。

何をどう撮るか。結局はここに集約されます。

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